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俳句

敗戦日、大雑把に。

海底のごとく八月の空があり 阿部みどり女

終戦と知る母の顔かがやかに 黒田杏子

敗戦日非業の死者と風の島に 金子兜太

大雑把に言えば猛暑や敗戦日 池田澄子

暮れはててなほ鳴く蝉や敗戦日 石田波郷

終戦の日。

昭和20年、敗戦後まもなく生まれた人に会いに行きます。自分自分と押し出さずとも思う相手、思ってくれる相手がいれば自ずと現れる自分。空を見上げ、いつもの道を行き、知らない街を歩き、出会う花を観察し、人を待ち、出会い、いろんな人や景色や出来事の話をする。それを何気なくできる日々を、時代を生きていられることは幸運なことだと思うのです。戦争が終わる。その「日」で終わる。それはとても不自然な「人間」ならではのやり方です。実は何も終わっていないのでしょう。敗戦後まもなく生まれたその人は母親のおなかの中にいたときに空襲にあい川の中へ逃げたそうです。もちろんその人の意志ではなくその人の母の意志による行動ですがその行動をさせたのは誰でしょうか。自分の意志など曖昧なものだと私は思っています。それでもそういうつながりの中に自分が含まれていないわけではないので大雑把ながらしっかりと身の回りの世界と触れていきたいと思います。生活をすることは誰かを思うことであるという実感を大切にしていきたいと思います。

どうぞみなさんも良い一日をお過ごしください。