窓を開ける。気持ちのいい風が入ってくる。毎朝窓を開けるたびガッカリしていた日々は終わった。でも降ったり止んだりなのか。夜中には雷も鳴っていた。
昨晩作っておいたキーマカレーをタッパーに入れる。あまりを少し食べる。美味しくできた。
ほかの窓も開ける。一通りの家事をこなしながら時々風を確かめる。また少し満足する。今日もまだ冷房をいれていない。
昨年、青森の下北半島であまりの暑さにはじめてクーラーを導入したとガイドさんが言っていた。今年の暑さは異常だと。きっと今年も昨年と同じく異常だっただろうからクーラーの導入率は増えていくのだろう。しかし青森の真夏の朝は気持ちよかった、ということを東京の秋に思い出す。
今、NewJeans (뉴진스) ‘How Sweet’ を流している。多国籍の5人組K-POPガールズグループであるNewJeans。2022年のデビューからあっという間に世界に知られるグループになった。他にもK-POPの勢いは凄まじいが「すでにBTSとBLACKPINKという直近の成功モデルが存在したということも大きかったと思います。」というのは佐々木敦。集英社の読者情報誌『青春と読書』で始まった佐々木敦の連載『メイド・イン・ジャパン』[第2回]K-POPは世界を目指す、に書いてあった。
このはじまったばかりの連載は「日本の芸術や文化、サブカルチャーの「海外進出」の可能性について、あれこれ考えてみよう、という内容です」と第1回に書いてあった。『ニッポンの思想』(二〇〇九年)、『ニッポンの音楽』(二〇一四年)、『ニッポンの文学』(二〇一六年)(いずれも講談社現代新書)、『増補・決定版 ニッポンの音楽』(二〇二二年、扶桑社)、『ニッポンの思想 増補新版』(二〇二三年、筑摩書房)と多くのジャンルで「ニッポンの」にこだわってきた佐々木敦の書くものは私にとっては要チェックだ。私は毎月本屋さんで『青春と読書』をもらってくるがオンラインでも読めるのでぜひ。
昨日はその第2回を読んでK-POPを聞いていた。私は洋楽を聞いてきたが佐々木敦がいうように「歌=声を音として楽しむ」ことをしてきた。なので逆に時折日本語が混じるK-POPには違和感を感じることもあった。耳が止まってしまうのだ。でもこの論考で韓国語、英語、日本語の特徴を読みながら色々なK-POPを聞いてみてなるほどと思った。最近はその辺もすごく工夫されているのだなと思った。aespa(에스파)の日本デビューシングルも良い感じだった。
「あくまで私見ですが、日本のアイドルファンは運営側/事務所にシンクロナイズしがちであり(そこには何かしら恩恵にあずかりたいという心情やアイドルに対する「上から目線」のようなものが透けて見えます)、対してK‒POPのファンダムは、自分たちが愛するメンバーが不当な扱いをされていると思ったら、事と次第によっては会社を公然と痛烈に批判することも厭いといません。もっとも過激なのが、メッセージ(要求)が書かれたトラックを所属事務所の前に横付けする「トラック・デモ」です。」
という箇所は意外な感じがした。韓国の芸能人の自殺のニュースを多く聞くからだ。しかし「トラック・デモ」というのもあるのか。彼らに限らないことだが自分の権利をしっかり握りしめたままがんばってほしい。
カラスの声が背後の窓から聞こえる。あの嘴からあの声。開け具合とかどのくらい調整できるのだろう。台風情報も彼らの方が正確に受け取っていそう。どうか被害の出ない場所にそれていってくれますように。