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精神分析

クリーニング屋さん

早朝からずっとカラスが鳴いている。墓地のあるお寺の木の方だと思うけど意外とゴミ捨て場かもしれない、というかそっちの方が現代的理由としてはありうるか。大袈裟に言ってみたがゴミ問題は大袈裟にすべき問題である。

今朝も無花果を食べた。無花果という漢字は美しい。果肉の色も美しい。今日のは皮が厚めできれいにむけた。果物の甘さは複雑で特別。今年も大切に楽しみたい。

長くお世話になったクリーニング屋さんが閉店した。うちで洗えるものはその方法も教えてくれた。商店街のお祭りの焼きそばチケットもくれた。時折、彼女の夫が対応してくれたが自分はあまりよくわからなくてと恥ずかしそうに笑って彼女を探しに行った。ほのぼのした。小さな庭の水やりをする彼女もよく見かけた。挨拶をするといつもにこやかに返してくれた。今は移転してしまった近所の有名店は彼女がいつも味方でいてくれたことに感謝していた。

先日、彼女の店よりだいぶ後にできた小さなクリーニング屋さんへ初めて行った。テキパキと対応してくれた。初回特典で割引もしてくれた。出来上がったものをとりにいったらこの前とは別の人がいた。特別なときに数回きただけの服にカビが生えてしまった。クリーニングに出していたのに。どこのクリーニング屋さんか聞かれたが私は店名を忘れていることにそのときに気づいた。個人名をいうと「あそこの?あの丁寧にシミ抜きしてくれるっていう・・」とすぐにわかってくれた。この人も地元の人なのだろうか。「そうなんです。長い間お世話になっていたんですけど私の保管の仕方が悪くて」と実感を込めていうと(というかこもってしまった)「そう、なくなったの」と言われ慌てて「あ、人はお元気なんですけどお店が」と付け加えた。そんなことはわかっていたかもしれないが。彼女はうちは工場での機械作業だからそこまで丁寧にできないかもしれないけどといった。そして特典がまだ残っているかと聞いた。私が多分この前もう使いきってしまったと思うというと「みてみますね」と画面を見てないことを確認し何かしらやろうとしてくれていたが「・・・残念」と少し笑った。私もお礼を言って笑った。新しい場所は日替わりで定員さんが変わるようだけどひとまず安心した。誠実に仕事も生活も営んでいる人のおかげ。

台風の被害がありませんように。