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精神分析

レイクシア・ベンジャミン、道徳。

涼しい。少し雨が残っている。今日もまた降るみたい?昨日は半袖Tシャツにフリースでちょうどよかった。バスに乗る前にちょっと寄り道したらバスが行ってしまって雨も降り始めた。次のバスがくるまで薬局のひさしの端っこをちょっとお借りして雨宿りしていたらお邪魔だったらしく店員さんが何回もくるからお隣のビルの狭い入口にお邪魔した。その隣では献血をお願いするセリフを何度も何度も繰り返す人がいた。この喧騒では誰も足を止めないのに声を張り上げるでもなくずっと同じトーンで何度も何度もそれを繰り返していた。

今朝はニューヨーク出身のレイクシア・ベンジャミン(Lakecia Benjamin)を聴いている。ヌバイア・ガルシアとは全く違う感じのサックス。J-WAVE,SONAR MUSIC,2024 JAZZ 総集編,柳樂光隆@Elis_ragiNa セレクト、で紹介されたらしく柳樂さんのツイートで知った。今朝は2023年1月リリースの”Phoenix”の2曲目New Morningsから聴き始めた。1曲目のAmerikkan Skinは冒頭から雑踏に連れ出されるような感じだったがすごい細やかで確かな音。この曲!という感じで耳が止まるのではなくて全体へ流れ出していくようなリズムとストーリー性ある場面転換がかっこいい。声もいい。

昨日は隙間時間にちょっとずつヒュームの『人間本性論 第3巻〈普及版〉道徳について』を読んでいた。朝ドラ『虎に翼』で道徳と法についてのやりとりが少しあってから気になっていた。私は以前、ヒュームが好きで、きちんと読みたいと思って普及版も買った。しかし昨年からか、カリブ海諸国とアフリカ哲学を知るようになり、今年刊行後すぐに『アフリカ哲学全史』河野哲也著(ちくま新書)を読んでから、以前別の文脈でアーレント批判を読んだときと同じくヒュームの差別的な面を知らされガーンとなった。きちんと取り組んでもないのに幻想を維持しようとする自分にややうんざりした。『アデンアラビア』におけるポール・二ザンのような怒りを私は維持できない。しかし書物だけでもそのやり取りを横断したいのでモヤモヤしながら考えようと思う。

国家と宗教という言葉が浮かんだが日本において国家とは何か、という変な問いを立ててしまう。日本って何者?内村鑑三や鈴木大拙は宗教をもとに「日本」を基礎づけようとした。今は彼らがいう宗教はもう残っていないのだろう。夏に金沢の鈴木大拙館で著書を読んだ。数年前にも唸ったが今回も唸った。彼らが残してくれたものもまた大事にすべき、と思う、と自分に対してわざと「べき」を使ってみたのはヒュームを読んでいたせい。まあ、でも本は本。人間ありきなので人間と仕事して自分とも他人とも関わるなかで彼らの中にも存在するもういない人たちと交流しつつ今日も過ごそう。風邪ひかないようにしよう。