4時台で空はグレー。本当に日の出が早くなった。夏至は6月21日、嘘みたい。季節の巡りが早すぎる。
早すぎるといえば、最近、電車で金原ひとみ『YABUNONAKA―ヤブノナカー』(文藝春秋)を読んでいた。芥川龍之介の『藪の中』の現代版といえるかわからないがモチーフは同じだろう。8人分の視点で語られるストーリーはどれもテンポ良くどんどん読めてしまう。読めてしまうのだが長い。え、まだ続くんだ、という語りを聞かされる。うわあ、という不快感を感じるやりとりがリアルでSNS社会の我々ってそれぞれにこんな感じなのだろう。村田沙耶香が世界の本質を明るく示すホラーなら金原ひとみは生活のリアルをざっくり切り取って示すホラー。あら、どっちもホラーって書いちゃった。ジャンルとしては全然ホラーじゃないのに。駅に着き、読みかけの本を閉じると犬に手を食いちぎられるイメージが浮かんだ。芥川の『藪の中』を読んだのは中学生の時だと思う。繰り返すイメージが出来あがったのはその後、舞台で見てから。怖かった。
ああ、また眠くなってきた。二度寝しても十分間に合う。が、家事をとりあえずこなそう。本の続きを読みたいが締切が近いものを本当にやらねば。作家はすごいな、どんどん書けて。これからもどんどん書いてほしい。小説は楽しい。
良い一日になりますように。