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精神分析

「精神分析基礎講座」など

いつもの光がさしてこない。くらい。むしろ10分前よりくらい。天気予報は雲マークもついているけど一応晴れ。

投票率が低い中、平然と差別を口にする党が議席を伸ばす。嫌な国になってきたが住民が希望を捨てるわけにもいかないので、信頼を基本に生活を大切にしていこう。

昨日は「精神分析基礎講座」だった。これは日本精神分析協会の訓練に入る場合の基礎セミナーにもなっている。以前は対象関係論勉強会という名前だった。昨日午前中は池田政俊先生が「生成論とナルシシズム」という題で講義をしてくださった。小此木啓吾のいう生成論ということだったが、小此木先生がカテゴリライズしたフロイト理論は

a 力動―経済論モデル
b 生成―分析論モデル
c 発生―発達論モデル
d 力動―構造論モデル
e 不安―防衛論モデル
f 自己愛論モデル

まあ、生成分析論といわれても同じようにピンとこないかもしれないけれど、精神分析がさらされてきた大雑把な批判に対してよりミクロな視点を提示するものではあるのだと思う。大雑把な批判はおそらく発生ー発達論モデルに向けられている。小此木先生が提示した視点は、操作主義、エネルギー原理、非決定論。この議論で参照されるモデルは当時の精神分裂病だと思うのだけど、ナルシシズム論は精神病の枠組みを持つものとしてそこに入っているということか。ただ生成分析モデルにおいて事後性が重要なのはよくわかる。これと午後に妙木浩之先生が講義してくださった「今ここ」で進行する分析と「分析における構成」の仕事は一緒に考える必要がある。私も少なくとも私の周りで使用される「今ここ」の扱いには懸念がある。司会者として参加したが大変勉強になった。これらの理論を精神分析体験を通じて楽しんでくれる人が増えたらいいなと思う。

強い光がさしてきた。夏の朝はいつも二段階。良い一日になりますように。