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精神分析

早朝雑事、「心理学草案」、Kohon論文

今日は曇りなのかなあ。光はあるけど水色とグレーと白がどれも薄く混じり合ってる。どんよりしていないのはいいね。風も涼しい。

とだけ書いて果物とお菓子でお茶して、朝早くから大掛かりな掃除というか色々した。が、まだこんな時間。余裕で間に合う。

昨晩はReading Freudで「心理学草案」の第三部、主に「注意」について書かれているところをじっくり読んだ。欠席の人が多かったのともうすぐ読み終わってしまうのでかなり丁寧に読んだ。そしてアンドレ・グリーンを楽しく読むモチベーションが高まった。今年度はあれやこれやでグリーンの購読会にあまり参加できていないけど一、二年前と比べるとずいぶん理解が深まった気がする。「心理学草案」を精読せねば、という気持ちもグリーンを読んでから強くなった。オグデンはウィニコット発が多いけど最近の議論はそもそもフロイトの初期に戻りつつのアップデートな感じがしている。「心理学草案」だけ読んでも何が何だかだが、症例論集、技法論集、メタサイコロジー論をはじめ、フロイトの書いたものをずっと読んできたなかで読むと「注意」という概念ひとつとってもそれが精神分析の中でどう扱われてきたかに関心が向くから楽しい。ビオンはフロイトは「注意」に関する研究を展開しなかった、といってるけど、そう言いながら自分が展開しているわけなので源流を読んでおくのは大事。昨日は「草案」の中でも「接触障壁」について検討しているKohonの論文があると教えてもらったので帰ってからそれを読んでいた。2014年のInt. J. Psychoanal., (95)(2):245-270、Making contact with the primitive mind: The contact‐barrier, beta‐elements and the drives。

公開されている部分のアブストラクトはこんな感じ。正確には原文を

臨床ヴィネットを出発点として、ビオンの「接触障壁」の概念――「精神現象を二つのグループに分け、一方は意識の機能を、もう一方は無意識の機能を果たす」(Bion, 1962)――と、それがフロイトの欲動理論といかに関わるかが探究される。ビオンの概念は、フロイトが『心理学草案』(1950[1895])で記述した「接触障壁」と比較される。この比較を通じて、ビオンのメタサイコロジーのさまざまな側面、とりわけビオンが量的・エネルギー的に「刺激の付着‘accretions of stimuli’」と記述した「ベータ要素beta-elements」という概念が明らかにされる。接触障壁の機能を介したβ要素の処理は、フロイトが述べた欲動の「拘束‘binding’ 」の発展形として理解される。ただし、ベータ要素は内から生じる衝動だけでなく、「未処理の」外的刺激も含む点で異なる。「β要素」と「欲動」は、ともに心が知りうるものの限界を定める概念として理解される。さらに臨床素材が提示され、著者の主張――すなわち、ビオンの接触障壁および関連する概念(α機能、コンテインメント)は、フロイトのメタサイコロジーの経済的・エネルギー的側面に照らして理解されるべきである――が論証される。

最初から臨床ヴィネットがくる書き方で興味深いけど長い。長すぎる。のでちょっとずつ。こんなことよりすることあるけど関係ないことばかりしてしまうな。人間らしいといえば人間らしいか。さあ、いいお天気になってきた。いいことありますように。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生