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精神分析

群馬のおせんべい、言葉の使用

眠い、というか寒い。寒いとお布団に帰りたくなってしまう。窓を閉めればいいのか。朝の空を眺めるのが日課だ。早朝、東の空の雲がさまざまな形で薄く光を纏っていてとても綺麗だった。今はほかの空と馴染んでグレー。それでも東京は天気予報は晴れだった気がする。

今朝は夏の間、水出しで作ろうと思って忘れていたとうもろこし茶をお湯でじっくり時間をかけていれた。香ばしくていい香り。群馬で買ったいそべくりーむせんべいと。なぜかひらがな。そしてこれは「上毛かるたデザイン」。群馬出身の人ならほぼ知っているであろう上毛かるたのよく知られた絵札が読み札と一緒に描かれたデザイン。今朝いただくのは「草津よいとこ一度はおいで」ではなく「草津(くさづ)よいとこ薬の温泉(いでゆ)」の「く」。こんな絵柄だったっけ。草津といえば湯もみ。草津節とは別に湯もみの唄もあるんだって。いそべくりーむせんべい、美味しい。高崎駅の新幹線改札のそばに群馬のお土産が買えるお店があるのだけど、群馬はほかにも三俣せんべいの商品もあるし、旅がらす七福神あられもあるし、パリッとしたお菓子が美味しい。からっ風で乾燥しているせいかしら。三俣せんべいも老舗中の老舗だけど残っていってほしいなあ。今ふと下北沢のせんべい屋さんを思い出したけどあそこもなくなってしまったのだっけ。なくなる前に買ってきたの、といっておばあちゃんにもらったことがあったけど。そのおばあちゃんは102歳まで生きた。近いうちに下北沢行くから見てみよう。多分ある、気がする。最近、通った、気がする。

冒頭で「さまざまな」という言葉を使いながら、こういうのは屁理屈かもしれないが、と思ったことがある。この前、ラカン派の本を読んでいて「父の名」を「さまざまな父の名」といっているところがあった。誰の本だったか忘れてしまったが。そういうのを見ると私としては、精神分析において「父の名」を「さまざまな父の名」と複数性を強調したところでさ、と思ってしまう。もちろんそんな簡単な議論ではないけれど。キリスト教の三位一体はよくわからなくても説得力があるけど、日本人の多くは馴染みがないし、何かを繋ぎ止めているのは「症状」だという方が伝わりやすいし、ラカン的には「父の名」って症状ではなかったっけ。症状って快不快のあわいで自ずと複数性を備えているし。たしかに「父の名」を単数で使うことで症状を維持することが必要な病理はあると思う。症状は多少あったほうが健康とも言えるので、とか「さまざま」問題はさまざまな問題というより、別の言葉にしないとぐるぐるした議論になりがちと思う。

この前、テレパシーのことを書いたときに少し書いたかもしれないけど精神分析は言葉の曖昧さ、流動性を当たり前に考えつつ、それを理論化してきた学問だから意味の強い言葉の使用は厄介だと思う。

メルツァーが『夢生活』で書いたことが精神分析における言語の使用を考えるときにとても役立つと思うけど思考の厚みがすごいので難解ではある。この辺なんかは基本的に押さえておきたいところだしわかりやすい。

第13章 患者と分析者における、夢を見ることと経験から学ぶこととの関係

分析において,われわれは通常,患者の情動的藤にかかわる思考過程に接近するために夢を研究する。しかし、ときおり、とくに患者が分析の訓練生や分析の方法に職業的に関心を持っている人の場合に、異なった種類の夢が生じることがある。これらは、自分の心がいかに働くのかについての患者の考えを反映しているように思われる夢である。それらは、「理論的な」夢とでも呼んでいいかもしれないものであり、精神分析そのものについてではないが、自分の心の働きに関する経験についての患者自身の理論である。

精神分析の歴史を通じて、いわゆる「心の理論」は、分析者が患者や自分自身に耳を傾け、観察し、理解しようと努める際に用いていると考えている、心的装置に関するモデルであり、それは変化し続けてきた。フロイト自身のモデルは、彼が仕事をしていく中で変わっていった。最初に彼が仮定したモデルは、ある種の電話のやり取りに似ていた。彼は、精神分析的な研究をする前に,「科学的心理学草稿」として知られている論文においてこれを推敲した。これは、神経学者のモデルであり、脳においてメッセージを伝達する装置にかかわっていた。それは、メッセージの意味にはまったく関係がなく、神経ネットワークを通じてメッセージが分配され伝達される仕方にのみ関係していた。彼は、いったん分析的研究を始めると、ある意味で最初の理論の補足である、2番目の理論、すなわちリビドー理論をつくり上げた。これは、「心的エネルギー」の分配に関する理論であった。そこでは、心的エネルギーと性的興奮は、おおむね相互に等価なものとみなされていた。

うん。スッキリしている。もっとずっと難解な部分もあるし、メルツァーの書き方は重みはあるけどごちゃごちゃしてなくて好き。臨床を伴っているから説得力があるのかも。何かを言おうとして引用したのだけど忘れてしまったのでこの辺で。

今日もがんばりましょう。まだ曇ってる。本当に晴れるのかな。調節しやすい服装で行こう。