パソコンの画面が昨日からアメリカシロペリカン。自分でなにも設定していないからいろんな画像がでてくる。ペリカンを最初に見た人はきっとすごく驚いたと思う。口開けたらあんななんて。今、画像見たら私がイメージしていたより袋の部分は口開けてもすっきりしているのね。もっとがばーって感じかと思っていた。イメージの中でびっくりしていただけね、私は。舌が小さいらしいのだけどその小さな舌の筋肉であののど袋をコントロールするらしい。すごい。長い首もぐるって後ろに回せて背中に乗せて休めるしすごくうまく設計されている。動物の身体ってすごい。
まだ空が夜。カラスはもう鳴いている。昨晩は月をみることができなかった。
この前、オフィスの反対側のほうの初台、ふどう通りのほうを歩いていたら製麺所から麺をもって出てくる人に何人か会った。富士そばの工場(?)がオフィスのほうにあるのだけど、初台は麺が得意なのだろうか。蕎麦屋もラーメン屋もそれなりにある。私は2軒の蕎麦屋にしか入ったことがない。それも最近。どちらも町の蕎麦屋という風情で気にいっている。ふどう通りは新宿のお隣とは思えないほどローカルな雰囲気があって好き。初台のお隣の幡ヶ谷まで歩くこともある。幡ヶ谷の商店街はとても賑やかでおいしいものもたくさん。さて、トコトコと初台に戻りましょう(脳内散歩していた)。麺屋さんは紀州屋製麺さん。良い感じの貼り紙に値段が書いてあった。安い。地元の人っぽい人たちが立て続けに買っていったのを目にすると私もという気分になる。いろんな麺を食べ比べてみるのも楽しそう。
それにしても乾燥がすごい。冬だ。皮膚の小さな小さな傷が十分痛い。新宿でロクシタンを通りかかったらクリスマスギフト用のハンドクリーム4本セットがあった。街はすっかりクリスマス。ハロウィンから一か月が過ぎ、西新宿なんてほんとすっかりクリスマス。店頭で香りを試させてもらった。私は特別な香りより普通のシアが一番好きだな、と思いながらプレゼントを検討した。香りは好き嫌いが顕著だから好みを知っている人、もしくは好きでない香りのものも気持ちよくさばける人でないと難易度高いかも。
先日、読書会でThe Work of Psychoanalysis Sexuality, Time and the Psychoanalytic Mind By Dana Birksted-Breenの第7章(邦訳だと第6章)Time and the après-coupを読んだと書いた。そこで引用されていた英国精神分析協会の訓練分析家、Rosine Jozef Perelbergのウェブサイトをみていた。ペレルバーグは2023年に精神分析と社会人類学の創造的対話構築による時間性・セクシュアリティ・反ユダヤ主義への取り組みに対してシガニー賞を授与されている。ダナとペレルバーグの共通点は精神分析の古典を網羅的に精読しつつものすごい知識と現代的な視点でそれらを外に開く努力と知力にものすごく秀でた精神分析家であるということかな。
ダナのaprès-coup論文でペレルバーグが引用されるのは彼女がシガニー賞を受賞した理由からも明らかだと思う。ペレルバーグのウェブサイトにKey Conceptsのページがあるがその一番上にAprès-coup, Descriptive and Après-coup, Dynamicの説明がある。いつも通りざっと訳しておく。大変簡潔にまとまっていて文献の紹介もあるので自分で勉強しやすいと思う。ダナの本のaprès-coupはアプレ・クーだが翻訳の工夫と苦労が滲み出る訳書の「アプレ・クー」を含むいくつかの訳語については訳者の説明が丁寧になされている。私としては意地でもダナのいうaprès-coupを単なる「事後性」とは異なるものとしてカタカナではなく日本語に変換したいがどうしたらいいものか、ということでペレルバーグの訳には一応定訳である「事後性」を用いた。ペレルバーグのように事後性の前に説明をつけるのがいいと思う。ダナの場合だったら「遂行的事後性」「創発的事後性」とか?ベルクソンを思い浮かべながらそんなことを考えた。
>事後性(Après-coup)――記述的事後性と力動的事後性
infant(乳児)とは過去の赤ん坊のことであり、個人の発達の中で観察可能な存在である。
一方フロイトによれば、infantile(乳児的なるもの)とは、大人の内部にいる子どもであり、構成(construction)の過程を通じてのみ到達することができるものである。
乳児は観察の対象となりうるが、乳児的なるものは、事後性(après-coup)の過程の中で分析家によって再構成されるものである。
この主題は、ペレルバーグの最初の精神分析論文(1991年、ブエノスアイレスでのIPA大会にてチェザーレ・サチェルドーティ賞受賞)の中心でもあった。
その研究は、2008年刊行の著書 『Time, Space and Phantasy』 へと結実した。
ペレルバーグは 『The Controversial Discussions and Après-Coup』(2006, 2008)の中で、次の区別を提案している。記述的事後性(descriptive après-coup)セッションの今‐ここにおける、事後的理解を指す。力動的事後性(dynamic après-coup)
フロイトのメタサイコロジーに深く埋め込まれた概念であり、反復強迫、性(sexuality)、時間性(temporality)、そして転移といった概念のネットワークを含意している。
訳おしまい。毎日少しずつ興味のある分野の文献を読んでは訳している。英語ができるわけじゃないけど日本語でもわからないし複数の言語を行き来させているうちにわかってくるから。なんでも地道に。今日も地道に。空が明るくなってきた。夜明けですね。良い一日になりますように。

