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精神分析

演出、論文翻訳、臨床心理士試験

朝焼け。細い月との光の配置がきれい!朝ドラ「ばけばけ」の光の使い方がものすごくていつも感動するのだけど、自然界の光はもう少し複雑。毎朝やや翻弄される。ドラマは人間っちゅう複雑なものを描くから光がそれと馴染んでいる方がずっと印象が強い。映画は自然の光にこだわって作られているものが多い。この前でたばかりの濱口竜介、三宅唱、三浦哲哉『演出をさがして 映画の勉強会』(フィルムアート社)を読んでいたのだけどそこにも光の使い方について書いてあった。濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』と三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』のところは別の媒体でも読んだことがあったけどやっぱり面白かった。『ケイコ 目を澄ませて』は特に好きな映画だし、演出っていろんな偶然を待つようなところがあるんだな。それにしてもこんな勉強会、とっても楽しいよね、絶対。三浦さんは料理の本も出しているし軽やかにとことん。良き!

フランス精神分析の文献を読む勉強会で、興味あると思うよ、と勧めてもらった論文、Elias Mallet Barros(2000)、Affect and Pictographic Imageを担当することになった。オラニエを読んでいると話したからそれでかな、と思ったけどウィトゲンシュタインを参照しているのもいい。確かに私はこの語りえぬものをめぐって語られていることにものすごく興味がある。とりあえず訳し終えたのでしっかり把握したいが優先すべきものに戻らねばならない。面白くて月火の隙間時間全てこれに費やしてしまった。まずい。

臨床心理士試験の結果が出たらしい。受験者数は減っているのかな。精神分析家になるには大学院修了と臨床経験と基礎セミナー修了などが最初の条件になるけど大学院修了の基準は悪くなかったと思う。少人数で専門的な勉強することで改めて進路考えるようなことにもなるしね。それにしても懐かしい。面接のとき、変なドアを開けてしまって止められたり、ドアが重たくて開かない、とかあったが、ドアが重たいのは今もあるらしい。きつい先生と優しい先生のペアと聞いていたが、それもただの噂だろう。そんなものどうやって分けるんだ、というかそんな暇ないだろう、先生方、と思う。でも当時はそう聞いていたのでなんとなくこっちがきつい先生の方かなあ、とか思いながら面接を受けた。お二人とも優しかったような気がする、昔すぎて思い出せないが。もう亡くなられた先生もおられるだろう。私の周りだけでも多いから。歴史を体験として語れる人はどんどん減っていくね。

精神分析家は心理士も増えてきたとはいえ医師が多いので医師と色々話すことが多いが、精神分析のいいところはその学際性にあるし、医師とも心理士ともやっていることが全く異なるので、私の心理職アイデンティティはかなり薄まっている。しかし、保育園や地域に行くと、身軽さと近所の人っぽく接してもらえる感じは私、心理士、と思う。精神分析的な理解はどこでもかしこでもしているけど。集団力動を知るにもとても役に立つし。子供と大人をつなぐ場合も親子関係における力関係を基盤とした力動をアセスメントして関わりを模索するのが日常。またADHDやASDの幼児さんのグループとかやりたいな。彼らの就学前から高校、大学生になるまで関われたのは本当に素敵な体験だった。子供のグループをするというのは同時に親のグループもするということなので、親御さんたちと協力できることもとても心強かった。本当に色々大変だけど、大変になればなるほど一人ではできない。協力せざるを得ない。潜在している力はある程度の危機がないと発動しないところもあるから踏みとどまるの大事。

空がきれいだな。今日もがんばりましょう。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生