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精神分析

境目とか勉強会のお知らせとか。

空がピンクに染まって一気にグレーになった。夜明けにはどこからどこまでとかいつからいつまでとかはっきりした境目を設けることは難しい。日の出と日の入りの時刻は決まっているけれどその間は特に決まっていない。

時計屋の時計春の夜どれがほんと  久保田万太郎

先日、変な言葉だなと思いながらGoogleで検索したらAIが

「申し訳ありません、意味がよく分かりませんでした。「○○は○○」とはどういう意味でしょうか?

もし、私に特定の日付や時刻を無視してタスクを完了するように求めているのであれば、私はそのように動作します。どのようなお手伝いが必要か、具体的にお知らせください。」

と書いてきた。「AIによる概要」が出てくるようになったのは今年?「もし、私に特定の日付や時刻を無視してタスクを完了するように求めているのであれば、」というのは私が検索した言葉に対する返事だと思うが、そもそも私はAIに何も求めていない。でも「分かりません」といえるのは大事なこと。それだけでいい。聞いてないのだから、というのはAIに対してだけではなく思うことは多い。

Twitterが140字しか書けなかったのはいい設定だった。人はいくら時間を費やしたところで伝えられることには限度がある。伝える側に限度がなくても伝えられる側の限度というものもある。そもそも求めていないとなればなおさらだ。伝えたい側は言いたいことを言っているつもりでも質問した側はそんなことは聞いていないのだけどな、と感じながらずっとそれを聞いているということもある。どの場合もみんな自分が正しいと思っているかもしれないし、失敗した、まいったなあ、という事態からも学ぶことはあるだろう。反射的に反応して相手に嫌な思いをさせた場合だってなんらかの気づきはあるかもしれない。でもね、という話。私たちは相手なくして生きてこられなかったわけで、赤ちゃんのときからそれはそうなんだけど、それは相手を利用することではないんだよ、と思う昨今。相手はお互いのためであって、自分のためではない。そんなの当たり前だと思うかもしれないが、全く当たり前じゃない、と思う。自分はそういうことしないよ、という場合でもそうでもない、と思う。もちろん私もやってしまってから言い訳したくなったりなかったことにしたくなることは多いし落ち込みを避ける方に自然に向かうこともある。が、誰にでも起こりうることであるならばらなおさら上書きや上塗りをしないことが大事。自分で自分の意識を超えてしまうこともやってしまってからでは取り返しがつかないようなこともあるだろうけど、そうでないことも多いので、そこは簡単に希望を捨ててはいけない。わからないことはわからないままに、聞かれてもいないこともそのままに、答える必要がないこともそのままに、押しつけに対して負担を感じる場合はとりあえず抵抗を、とか書いているとそれこそ聞いてねえよの世界に入っていくね。難しい。

さてさて来年度の勉強会のメンバーを募集しています。事例検討会は少人数なので発表の機会も2回か3回あります。

①初回面接事例検討グループ(各回定員3名)

曜日:第2 or 第4日曜 9時半~12時。
時間:9時半ー11時半 事例検討
   11時半ー12時 その回で各自が学んだことの共有

料金:8回4万円

初回面接の事例をお持ちで精神分析理論の基礎的な勉強を終えている方、お互いの事例から学び、ご自身の言葉で考えられるようになりたい方に。

②2026年度Reading Freud】

精神分析の基礎的なセミナーを修了し、臨床経験をお持ちの方で、フロイトの著作の精読に小グループで取り組みたい方を募集します。具体的には以下の方法によって、精神分析的な臨床がそもそもはどのようなアイディアに基礎づけられたものかを確認し、自分たちの臨床ではなにを行っているのかを確認する機会にできたらと思います。

【方法】

①各論文を1パラグラフずつ番号を振ります。

②ひとりずつ順番に声に出して通読します。

③内容を精神分析の歴史に位置づけつつその書き方や現在における意義について議論します。

2026年度は『メタサイコロジー論』(十川幸司訳、講談社学術文庫)を読みます。テキストは各自ご用意ください。

曜日:4月から2月(8月を除く)の第4土曜日

時間:19時から21時

料金:全10回、1万5千円

お申込み、お問合せはお問合せフォームか、ami3office@gmail.comにお願いいたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

あと、2026年度対象関係論勉強会(精神分析基礎講座)の受講生の募集も始まっています。今年は2年目。日本精神分析協会の基礎セミナーでもあります。私は「陰性治療反応」について講義する予定。

私はこの講座が始まって3年目(3年1クールだけどどこから出てもいい)から4年間出た気がする。当時は青山でやっていてランチが楽しみでした。コロナ禍で一気にハイブリッドの開催が広がったけど当時はこんなふうになるなんて思ってもいなかった。何が起きるかなんてわからないけど色々あるねと言いながら自分のしたいことやったりしたいことに向けてがんばったりしよう。

今日は土曜日。良い1日になりますように。