カテゴリー
精神分析

お菓子、王様

今朝の夜明けは雲が多かったが月は明るかった。今日は10度超えるみたい。ここ数日寒かったものね。

徳島で買ってきたお菓子たちが最後になった。最後は穴吹駅前の日之出本店さんで買った「和三盆のふわっとチーズケーキ」。年末年始ももう遠い。春じゃ春じゃ。

カステラみたいな形をしたチーズケーキ。美味しい。徳島県美馬市穴吹町は「うだつの街並み」で有名。最寄駅は穴吹駅。徳島駅から阿波池田までバスで行ってから電車に乗った。地元のタクシー運転手さんに「潜水橋」(渡れて嬉しかった!)のこととか色々教えてもらいながら四国三郎と言われる吉野川を渡り「うだつの街並み」へ。年末でどこも空いていない通りをのんびり歩いたあと、打って変わって活気にあふれていたスーパーへ。そこの休憩スペースでも日持ちしない地元のお菓子をいただいた。それも美味しかった!帰りは穴吹駅まで吉野川沿いを歩いた。洪水が多かったらしいのでそれを防ぐためか竹林がずっと続く道だった。これは竹?竹に似ている何か?と私が知っている竹とは少し違ったけど竹細工が有名とあったからやっぱり竹らしい。徳島は吉野川に助けられたり困らされたりしてきたのね。私が行ったときは水の美しい穏やかな川に見えた。そして駅前の日乃出本店へ。かわいいお菓子がいっぱいでテンションがあがった。お土産のいくつかもここで買った。徳島は2度目だったけど眉山と阿波おどり会館で阿波おどりを教えてもらったことと阿波尾鶏が美味しかった居酒屋のことしか覚えていなかった。今回は県内に絞って色々回れてようやく徳島の地理が少しわかった。どこに行っても水が本当にきれいで穏やかながらダイナミックな地形も身近に体験できて街の人も気さくで素敵なところだった。

毎日、いろんな人と会っていると穏やかな時間もたくさんあるけど辛かったり重苦しかったり耐えがたかったりする時間もたくさんある。臨床は知的なものに還元できない形にならないものであふれている。それらを形にするだけでなく、そこに居続け、抱えていくのが仕事の基本だと思っている。スーパーヴィジョンや事例検討会でも誰にでも当てはまるような用語を使うのではなく、その人が出会ってきた場面や経験の個別性を大切に立体的に描写できるように協力したいと思っている。そんな毎日の臨床体験のなかで時折思う。人は、百獣の王でも海賊王でもなんでもよいから、小さなうちに一度はこの世界を征服してみた方がいいのではないかと。今の政治家たちを見ているとなおさら。彼らはそれを体験してこなかったのではないかと。

ベッドで飛び跳ねながら雄叫びをあげ、ジャングルジムのてっぺんで王は自分だと叫び、小さな手で大きな旗みたいにタオルを振り回し・・・。どうにでもできる!なんにでもなれる!と吠えるように宣言しよう。すごいね、かっこいいね、強いなあ、さすがだ、と大人をひれ伏させ、口々に褒めてもらいながら世界の頂点に立った方がいい。どうしたって叶わないはずの世界できちんとそういう体験をして大人になった方がいい。

子供の頃は本当に唐揚げになれるって思ってたんだよ、と笑う大人に近づいてきた子がいた。唐揚げさえあれば世界が輝いていた頃、自分が唐揚げになってしまいたかった。でもそれは多分海賊王になるより難しいと徐々に知った。そして今は笑い話だ。全てにはなれないが何かにはなれる。こっちがダメならあっちもある。支配や征服なんて今はもうどうでもいい。あの頃はまだ僕の世界には数えられるほどの人しかいなかったんだ。みんなを見渡すことができて、みんなの注意をひくことができた。でも今は世界には見えない部分がたくさんあること、行けない場所がたくさんあること、知らない人がたくさんいることを知ってる。だからひとりじゃ難しい、いろんなことが広がっていかない。だから誰か、と人を求める。そしたらまた支配欲がむくむくと、という場合もある。人間は簡単じゃない。でもできるだけ、せめて論理的になろう。言われたことをそのまま聞き、書かれたものをそのまま読み、見えるものをそのまま見よう。それが難しいからこうなっているんだろうけどね。ああ。難しい。小さな子供たちが小さなうちに王様の体験をできますように。

外は光がいっぱい。みんなの気持ちも晴れますように。

西新宿