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精神分析

フロイト「治療の開始について」を読んだり。

鳥の声が大きくて窓を開けっぱなしで寝てしまったのかと思った。やっぱり温かいお布団にしてから眠りが深い。昨日はすごくたくさん歩いて疲れたというのもあるが夏の間はよく眠れていなかった気がする。しかも今年の夏はあまりに長かった。

週末、大きめの公園を通り抜けると特に案内もない音楽イベントをしていた。内輪のものかもしれないけど穏やかな空気が流れていてやっと季節が変わったなあと思った。

さて、今日は火曜日。またリズムが崩れそうだから気をつけねば。

今度、学会で精神分析の導入について話し合うので、フロイトの「治療の開始について Zur Einleitung Der Behandlung」(1913)を読み直していた。

ストレイチー訳はこれ。Freud, S. (1913) On Beginning the Treatment (Further Recommendations on the Technique of Psycho-Analysis I). –The Standard Edition of the Complete Psychological Works of Sigmund Freud 12:121-144

副題に「(精神分析技法に関するさらなる勧め I )」とある。Iがあれば次があるわけで「精神分析技法に関する更なる勧めⅡ」は「想起すること、反復すること、ワークスルーこと」(1914)、Ⅲは「転移性恋愛についての観察」(1915)である。ちなみに「治療の開始について」は「転移の力動」(1912)、「精神分析を実践する医師への勧め」(1912)に続くものである、と初版 Int. Z Psychoanal., 1(1), 1-10 and (2), 139-46.の脚注には書いてあり、これらは全て岩崎学術出版社から出ている藤山直樹監訳の『フロイト技法論集』に収められている。時間とかお金とか治療契約の基本的なところをフロイトがどう考えていたかは大体技法論集に書いてある。晩年に書かれた1937年の「終わりのある分析と終わりのない分析」「分析における構成」は前にも書いたようにフェレンツィへの応答というか陰性のものをフロイトがどう考えていたかという観点から読める。フロイトは神経症を倒錯のネガといい、ナルシシズムも倒錯との関係で描写した。それらはこれらの論文に見られ陰性治療反応の記述へと伸びていく発想である。

とちょっとお勉強的なことを書いてみた。今週も頑張りましょ。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生