Cyndi LauperのTrue Colors、思春期のあたたかな思い出だ。THE BLUE HEARTS「少年の詩」もあのカセットには入っていた。♪1.2.3.4 5つ数えてバスケットシューズがはけたよ♪
私はバスケ部だった。大好きでいつもそのことばかり考えている。バスケはそういうものだった。精神分析は今もずっとそうだ。これからは俳句もそうなっていくかもしれない。〆切までに出すのが精一杯だけど。
人が人を想う。言葉だけならすでに使い古されているかもしれない。私はチームスポーツが好きだ。組織での訓練にも大きな価値を見出している。喜びも悲しみも苦痛も絶望も希望も終わってみれば全て夢のようかもしれない。それでも生きている限り、それらは私たちのこころを彩り続ける。
そばにいてもわからない人のことを想う。電話越しでも伝わってくる人のことを想う。会えない距離の人のことを想う。明日会えるのに囚われてばかりの人のことを想う。
精神分析は複数の人をこころのなかに住まわせる仕事だと以前にも書いた。私はあなただったりあなたは私だったり彼や彼女が私やあなただったりする。あの時の場面、あの時の出来事が、今ここと交差して立ち現れる。
思春期はまだ幼い。それまでとは異なる性愛の世界の入り口で身体もこころも戸惑っている。私は何者なのか。それはこれから先も長い間あなたを悩ませるかもしれない。
問い直し、出会い直す。痛みも多い作業だ。それでも人は人を想う。想われた記憶がふと現れるとき、想う私も現れる。それがないならここで紡ぎ、編み出していく。
大切な曲がたくさん詰まったカセットテープをもらった。小さな几帳面な字で曲名が書かれていた。「シンディー・ローパー/True colors」。今はApple Musicで聴くこの曲も探せばあのカセットテープできけるだろう。
I see your true colors and that’s why I love you.
忙しない日常を今日もはじめよう。また思い出すことはできるだろうから。