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精神分析

ブルース・フィンク『精神分析技法の基礎』をパラパラするなど。

ベランダにハンガーにかけたバスタオルなどを干した。いいお天気。部屋に入ったらベランダの風はついてきてくれなかった。なんでなんだろう。外だと気持ちよく感じた風は確かに「吹いている」のに。窓は開けたままなのに。

それにしても疲れた。多分、夏に。あと難しい本に。

ブルース・フィンクの『精神分析技法の基礎 ラカン派臨床の実際』を再読した。これは難しくはない。が、パッとしない。電話分析の可能性についての章はカウチでの自由連想を頻度よりも強調するフランスでは特にオリジナリティが高いのだろう。「電話分析に特有の難点」が詳細に書いてあるのもいい。そしてフィンクは高頻度であることを重要であると考えているというか、ラカン派は変動時間セッションを行なったりするので時間に対する感覚は独特なのでその辺の考察はもっとほしい。この本には変動時間セッションを行う分析家が電話分析を行う際の具体的な手続きも書いてある。フィンクくらいになれば直接会いにいける距離にいないがフィンクによるラカン派のセッションを受けたいという患者は多いのだろうからその経験が蓄積されているのだろう。やはり本人が多く体験している臨床事例から書かれたものは思弁的でなくこちらの思考も促される。ラカン理論が臨床としっかり接続していくためにはラカン派ではない私たち実践家もラカンを読んでいく必要がある。フロイトと同時に。現在のフランス精神分析の中心はラカン派でいう「精神病」事例についての議論が盛んだと聞いた。日本の精神分析の遅れも指摘されたが臨床ありきであることを考えればフランスほど精神分析が根付いていないこの国とフランスではまるで異なることが生じるのは当然といえば当然であって遅れているわけでもなかろう。フロイトやラカンへの回帰に基づく理論の更新という点ではその議論が当たり前に盛んなフランスとは比べ物にならないかもしれない。フィンクもこの本に書かれた議論を読むことでラカンを読むインスピレーションを与えたいようだ。たしかにラカン派の本を読むとラカンとフロイト読まねば、となるいい循環は確実にある。

今朝は出雲土産のバウムクーヘンを食べた。昨晩は熱海土産のお饅頭を食べた。お菓子がますます美味しい季節はもう少し後。どちらもとても美味しいけどもっと涼しかったらあっついお茶や紅茶ともっと楽しめそう。秋よ、深まれー。