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精神分析

能登、輪島塗職人さんの番組を見た。

朝ドラを見た。空が明るい。今年はまだ凍えるような寒さを体験していない。昨晩、NHKスペシャルで輪島の輪島塗職人さんたちのことを追っていて地震で壊れた窓にはめていた板が落ちるシーンがあった。大きい音にも落ち着いて外に出てその板が寒さを凌いでくれたことに感謝していた。その人は10年前にパートナーを癌で亡くしておりお手紙を書くように一方通行のLINEを妻に送り続けていた。昨年、輪島の手前、羽咋、加賀、小松、金沢へ行った。加賀市美術館で輪島塗の作品をたくさんみてそれらが分業だと知った。昨晩の番組でもそれが紹介されていた。木地師・下地師・研ぎ師・上塗り師・呂色師・蒔絵師・沈金師などなどいろんな職人さんの中の数人の方々が関わり合いながら被災後の生活を送る様子をカメラは捉えていた。地震のあとの水害、被災後ようやく場所を借り職人として仕事ができたことに感謝する人、水害前に癌になり亡くなられた人、その方が基礎を作った作品はいろんな職人の人たちの手によって完成した。とても美しかった。ひとつの器が出来上がるまでのどの工程も見事だった。こんなことが同じ手でできるんだな。技術は人が受け継ぐのにその人たちがたくさんいなくなってしまった。それでも生きることを続けている方々に涙が止まらなかった。地震から1年、水害からだってまだ4ヶ月経たない。そんななかこんな高度な技術の作品が人から人に渡りながら出来上がる。そのスピード感にも驚いた。自分達の手で道具を救い出し、洗い、場所を作り、作品に取り掛かるまでの準備をする以前に自分が生きていることが危機にさらされるなか、絶望しそうだという言葉を本当に静かに呟きながらぎりぎりのところで堪える人たち。どうか健康であってほしい。どうかもうなんの被害も出ないでほしい。寒い寒い冬を少しでも暖かい気持ちで過ごしてほしい。私は「能登半島の地震と豪雨の記録と表現のプラットフォーム note records」に毎月寄付をしているのだが、昨晩の番組を見ながら記録し伝えていくことの重要性を実感した。今日もどうぞご無事で。いい1日になりますように。