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精神分析

余裕

珍しくのっぺりした曇り空。鳥たちは元気そう。東京のどこもかしこも紅葉してきていつもの道も鮮やか。大きな柿の木は小さな柿をたくさん実らせてたくさんの鳥の声が聞こえてくるし(姿は飛び立つときしか見えない)、薔薇が一本だけ柵を飛び越えて咲いているのも素敵。もうちょっと寒いのだけど歩いていればすぐ温まる季節だからできるだけ歩いてる。目的なく歩いていたら行きたかったチーズケーキ屋さんが入っているビルが三角定規の形だと気づいて驚いた。秋は空を見上げることが多いからいつもと違う景色に気づく。朝早くてまたもや買うことはできなかったけど。と、私は呑気に散歩できる東京にいるけど秋田とか岩手とかクマが生活圏に出ているところは今までみたいに景色を楽しんだりできないのかも。本当に学校とかも心配ですよね。コロナがようやく落ち着いたかと思ったら別の脅威が、と何も気にせず何も考えず過ごせる時間がどんどん奪われていったら人間関係にもじわじわ影響が出てくるに決まってる。みんなにとってどうにもならないことだってわかっていても誰のせいでもないと思うことは私たちには難しい。自分を責めたり他人のせいにしたりどこかに常に原因を求める。ただただ状況を追いながら自分の状態を丁寧に観察することの重要性なんてまず実際的な余裕をくれという話になって贅沢品みたいな扱いになる。自分の心は物質的な何かとは関係なく働く可能性をたくさん秘めていていつでもどこでも触れていいはずのものだけど実際はそうはいかない。わたしたちは自分で自分を自分が他人をがんじがらめにすることでどんどん世界を狭くする。そうやって自分の心を守っている。動かせば動かすほど広げれば広げるほど辛いことが増えることもまた確かだから。本当に難しい。でも希望を、常に希望を、そして信頼を。いろいろ怖くて色々不安で、そういう毎日にほっこりする瞬間や口元が綻ぶ一瞬を。良い1日になりますように。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生