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精神分析

新宿メトロ食堂街、千葉雅也『ツイッター哲学」とか保存保管について。

変な時間に寝たり起きたりしてしまった。一度起きたときに暑かったからリビングに置いてあった扇風機を持ってきてつけた。一番弱い風で首振りの設定にしていたのに、起きたらなんだか喉が痛い。やばい!と喉を温めるためにというか昨日作っておいたからカポナータを温め直して食べる。墨絵の美味しいパンと一緒に。墨絵は今はない新宿の地下街にあった。墨絵自体は店舗を増やしている。なくなったのは新宿メトロ食堂街という地下街だ。追分だんご本舗でよくお土産を買って丸の内線に乗ったりした。そのうちその地下街自体が大好きになってしまっていろんなお店を利用するようになった。墨絵は異彩を放つ高級感で席と席の間隔はとても狭いのにいつも行列ができていた。私も中で数回食事をしたことがあるが利用するのは主にパン屋だった。通りがかりに小さいパンを一つ買って移動しながら食べていた時期もある。今だったらそんなことしないだろう。胃腸が弱いのは今も昔も変わりないが当時はどんなに時間が無くても何かを食べたかったしそういう時間だからこそ食べるものも決まっていた。どこもかしこも変化が激しいが私の移動の中心だった新宿西口は本当に変わった。小田急デパートもハルクだけになり新宿駅全体が枠組み自体を大きく変えようとしている。昨日はオフィスから新宿南口へ向かったらルミネ前の大きな交差点の一角が白い壁に覆われていた。あそこも変わるのか、と信号の反対側からなんとなく写真に収めた。

私は写真部だったわりに保管とか保存をする能力がないらしく、写真でせっかく保存したのにそれをどうやって整理したり保存したらいいのかわからない。わからないというよりはやっていない。SNSで自分が若かった頃の新宿の写真を見つけるといまだにホームなので今はこんな感じだよ、と話しかけたくなるような気分になる。

千葉雅也が2020年に『ツイッター哲学 別のしかたで』(河出文庫)という本を出した(今は文庫化)があれがどれだけ貴重な記録か、と今になって思う。とはいえ千葉雅也はここで哲学をしているのであって記録を提示しているのではない。千葉雅也という哲学者はいつも静かにオリジナリティ溢れるしかたで日常を哲学するしかたを提示してくれる。何度も書いているがいまだ門前とはいえ哲学の世界を私の遊び場にできているのは千葉雅也と國分功一郎のおかげだ。この本についても感想を書くべきだった。写真よりも文章の方が保管がしやすいし。千葉雅也は日本語も美しく情報に対する軽薄さや横柄さもなくとても真摯な書き手だと思う。そういう人がツイッターといういろんなものが渦巻く場所でこういうつぶやきをしていたことが示されるだけでもSNSに対して別のみかたが可能になるだろう。工夫に工夫が重ねられた一冊だ。それにしても「ツイッター」。今もURLがtwitterなのでなんて呼んでもいいのだろうがとりあえずそれは「エックス」に名前を変えた。この本は千葉雅也がカタカナで「ツイッター」と書いているのもいい。

どれもこれも保存保管にまつわるお話。今日は朝からフロイト読書会。これも保存保管にまつわるお話。午後はフランスの精神分析家を交えての勉強会。

みなさんもどうぞよい一日をお過ごしください。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生