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精神分析

奄美の本屋さんとか。

昨晩、机の上に辻村深月を見つけた。鹿児島県奄美市名瀬入舟町の本屋、棚田書店で買ってきた本だ。入舟町という名からわかるように漁港が近い。宿泊したのもその近辺だったがそこに海があることを忘れるほど磯の香りがしない。自然の循環がうまくいっていて腐敗臭が生じないからだときいた。棚田書店は同じく近所にある本屋、あまみ庵とは全く雰囲気の異なるこざっぱりしたいわゆる街の本屋だ。小さな店内に過不足なく並べられた本たちは生活と観光が自然につながっている様子で好ましかった。棚田書店に寄る前に長居したあまみ庵のインパクトが強かったが棚田書店にもたくさんの奄美に関する本があった。このスペースにこれだけの本を揃えているのか、と見れば見るほど充実していた。おそらく近所に住んでいる父子が必要なものをサクッと買って帰っていくのを見送ったりしながらそこそこ長居した。そんな高くない本棚の向こうには大きな倉庫に繋がるドアが(扉があったかなかったか)開かれていて広いスペースに段ボールがたくさん積まれていた。教科書なども売っているとのこと。お口は小さいのに中が大きい、とおばあちゃんに言われていたという人のことを思い出した。そのとき買おうと思っていた本があって探したのだがそれはなかった。なんの本だったか。特に奄美で買う必要はなかったと思うが本屋に長居できる時間は貴重だ。なんの本だったか、やはり思い出せない。その代わりというわけではないが辻村深月の本を買った。瀬戸内海の島に暮らす子どもたちと大人たちの物語だが島つながりなのだろう。島にまつわる本が多く目に入った。辻村深月は子どもの心を描写するのが本当にうまい。特に女の子の。しおりが挟んであるところまで読んだ。ひとりひとりの心を知ればそんなに大雑把に人をモノのように消費することなどできないはずだがそう思わされる出来事が多い。辛いときほど時間をかけて静かにしていようと思う。どうか今日もご無事で。よい一日でありますように。