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精神分析

小説とか。

寝不足。今朝は腕に力が入らない。それでもお菓子は食べるのよ。『葦』のフィナンシェ。バターたっぷり。美味しい。

ススキノの事件の記事を読みながら心がシーンとしたのでそばにあった村田沙耶香『ギンイロノウタ』(新潮文庫)を手に取った。黄色い女の子達が折り重なるような表紙がかわいい。狂気ならこういう狂気がいい。自分の心の中に染み渡る範囲の狂気であってほしい。狂気と呼ぶのにそんなこと願うのはおかしなことだけれど彼らだって私たちだけであってほしいと願ったかもしれない。自分の身体の中で排出された小さな部分はどこまで自分の一部であると考えればいいのだろう。悲しい。

書評の依頼がきた。勉強中の領域だからありがたいけど外側から書くことになる学派のものではあるなあ。とりあえず関連の本をそばに積み上げてみた。それにしても地道に勉強してると以前は全く読めなかったものが読めるようになるものだ。こういう体験をするとわからないものに対する抵抗が少なくなるからそのうちわかるだろう、くらいな感じで読めるし。

いろんな小説が読みたいけど昔のばかり読んでる。凪良ゆうの『汝、星のごとく』は新しい。とてもとても丁寧に主人公二人の気持ちが書かれていて、そうできるくらいに二人ともとても思いやりがあってエピローグの始まりには一瞬不安がよぎるけど人生は単なる反復ではないと知ってしっかりと自分を持つ主人公が眩しい。とてもいい作品だった。私はひどく即物的な描写やじっとりした、あるいは乾きすぎた皮膚感覚みたいなものが淡々と書かれた作品が好きなので気持ちの描写が多いと勉強をしているような気分になってしまうのだが最後に感じたちょっとした混乱は心地よかった。ずっと不安に揺さぶられてきた子が「またか」という絶望を感じるときのような一瞬の混乱から引き上げられるように物語は終わる。繊細な心が守られる物語は心地いい。小説家はすごいな。

歯磨きしながらこういうことする癖やめないと。ほっとくと本読みながら何時間でも歯磨きしちゃうよ。磨きすぎ、と歯医者で言われているから気をつけねば。今日は蒸し暑そうだけど日差しは少し弱いかな。外仕事があるからこのままであってほしいなあ。肌が痛痒くなってしまう。とりあえずがんばろう。そうしよう。