カテゴリー
精神分析

水族館、回帰

今日は晴れではなかったのか。空が薄暗い。昨日は雨ではあったけど傘をさすほどではない時間もたくさんあった。雨は必要だけど傘を持ったりなくしたりするから少し嫌。

週末は小さな水族館に行った。しゃがんで水槽をみていたら「こっちいるよ」とつたないかわいい声が聞こえて振り向くと小さな女の子がしっかり私の目をみて話しかけている。お父さんも何もみていないかのようにそばにいた。一生懸命話しかけてくれるので「いるね、いろんなお魚いるね」というと「いろんなおさかな」と今度は私は言葉の真似をした。言葉を覚えはじめる時期の子供とのやりとりは本当に楽しい。新しいなにかを教えて、といわんばかりに限られた言葉と指さしと目力で私を惹きつける。

最近、身近な人が急に右傾化したという相談を受けることが増えた。これはどの援助職にも同じ変化らしく、福祉の方から何かいい書籍はないかと相談を受けた。個人の右傾化は突然に見えるかもしれないが一般的にはもうかなり前から言われていたことだと思う。なのに私はそれらがまとまった書籍を数冊しか思い浮かべられない。大体記事で読んでいるし、右傾化そのものを書名にしたもの以外はどれもこれも関係している気がするし、でもそれが相談に対してどのくらい役立つかは自分で咀嚼してみるしかない。

最近だと中島岳志『縄文 革命とナショナリズム』 (太田出版)が紹介しやすいかなと思ったけどこれも右傾化そのものを話題にはしていない。終章で論じられる参政党など右派政党が志向する「縄文ナショナリズム」がどう生まれたかという話題は共有しやすいかもしれない。戦後日本の精神史を縄文時代が担ったであろうプリミティブなスピチュリアリズムとナショナリズムに見出す本、という紹介ではわかりにくいだろうなあ。どういえばいいのあろう。試し読みとかあるかな。探してみよう。

水族館で出会ったあの子はどんな社会を生きていくことになるのかな。プリミティブなものに回帰するのであればあの好奇心に回帰したい。

晴れてきた。今週もがんばりましょう。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生