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お菓子 読書

12月1日朝

ちょうどいい温度のお茶と聖護院かぶらのお漬物。まんまるでまっしろ。そういえば昨日の月もきれいだった。雲に包まれていてもそこに月があるんだなとわかる見事な明るさだった。悪者に呑み込まれちゃった主人公が復活するときに黒い内側からブワッって光が溢れる描写があるけどそれみたいだった。聖護院かぶらは真っ暗な土の中でよくもこう真っ白に育ったものよ。京野菜は今ではすっかり馴染みのものも多いけどきっとまだ知らないものもあるのだと思う。少し甘めのお漬物で食べすぎちゃいそう。後柿とみかんを少しずつと勝沼のお土産の最後の一つ「しっとりぶどうチーズケーキ」。作っているのは長野の「れんがはうす」というところらしい。パティシエマークがかわいい。これも美味しい。最近の焼き菓子はしっとりが上手。私は泉屋のクッキーみたいなパサっとした硬いお菓子も大好きだけど最近は歯も欠けやすいから柔らかいお菓子の方が安心するようになってしまった。歯医者さんは私の歯が欠けるたびに「噛む力が強いから」と笑うのだけど硬いものを食べるために歯ってあるんじゃないっすか、先生、と思うけど口開かれてると無力。日曜日にやっててくれるし  「キャプテン翼」でサッカーやっていそうな容姿でとても親切な先生なのだけどムー。最初、岬くんみたいって思ったのだけど岬くんを調べたら私の思っていたのと違った。どちらかというと翼くんだった。「キャプテン翼」は生まれてはじめて自分で買いにいった漫画。岡山県津山市の商店街の本屋で。私も休み時間はいつもサッカーやるような「ボールは友達」に「そうだよね!」と思える子供だったしうまかったし、サッカー。結局親にねだってはじめて買ってもらったのはバスケットボールで部活もバスケ部に入ったけど。それでもボールは友達だから毎日学校に持っていっていたらなぜか持ってくるなと注意されて教室で使うわけでもないのになんで、と無視して持っていってた。おさがりのエナメルの紫の大きなショルダーバッグと。ミッキーの。ランドセルもいいランドセルで気に入ってたけど先生に注意されてもそういうことがしたかったのね、当時の私は。今は毎日でっかいリュックで移動してるし運動なんて全くしない大人になったのに。ミッキーのことはよく知らなかったけどエナメルのムラサキというところが素敵だったんだ、多分。こうやってプチヤンキーってできていくのね。高校生になって本格ヤンキーの友人がエナメルのムラサキのバッグ持ってて似合っていた。私もその年齢まで待つべきだったな。当時私はすごく背も小さかったし引きずるように持っていたような気がするもの。彼女は背も高くて明るい茶色のながーい髪も似合ってた。バイト先では嫌味と悪口しか言わないお客さんに文句を言わせない迫力があったしアイスクリームを盛るのも上手だった。私は下手すぎてついにはやらなくていいといわれた。私なりにがんばったのだけど私なりはどこまでいっても私なり、と当時学んだ。不器用な人は器用な人に助けてもらえばいいのだ。みんな元気ならいいな。まだ10代だった私たち。

10代といえば最近読んだ本で一番良かったのは

アリとダンテ、宇宙の秘密を発見する』(小学館)
著/ベンジャミン・アリーレ・サエンス 訳/川副智子

シンプルな言葉が響くのはこの年代ならでは。「ボールは友達」だって子供の言葉だからいいわけでしょう、大人が書いたものだとしても。この本で「会えてよかった」に傍点がつくわけも。冒頭の二行は思春期の患者からも大人の患者からもよく聞く言葉。そのあとの母子の会話に胸が小さく何度もギュッとなる。この感覚も10代のものだ。星を見上げたりしながらぜひ。でもまだ朝が始まったばかり。今日もなんとか過ごしましょうね。外は寒そう!暖かくして出かけましょう。