カテゴリー
俳句 散歩 音楽

秋三日目。

暗いうちから掃除した。空が濃いグレーになって濃い紺になりつつある。もうすぐ日の出。今朝はノラ・ジョーンズをかけた。きれいな柔らかい声。柳樂光隆さんが今年もノラ・ジョーンズにインタビューしていた。今週の来日公演に向けて楽しそうなノラが素敵。自分の大好きな楽曲を信頼できる人たちと演奏できるなんて最高だろうな。昨年リリースのVisionsはとっても生き生きしたアルバムだったからライブ行ける人はいいなあ。インタビューに音源あるよ。レポートもいっぱい読もう。

秋3日目。昨日も気持ちよくて遠回りしてオフィスへ行った。新宿中央公園でも昨日、今日はパークマルシェ開催。フリーマーケットみたいのもやっているみたいだった。先週まで鳴いていた蝉の声もしずまり、剪定を終えてなんとなくひっそりした花壇を抜けて公園側から熊野神社へ降りた。赤、水色、黄色の屋台。紅白の垂れ幕が見えた。あんず飴は赤の看板。「スーパーボールすくい」の文字はカラフル。お祭りの日の朝っていい。神社に入るとまだ何もない鉄板、きれいに積まれたじゃがいも、一つの屋台にまだ一人ずつ。パラソルの下のラムネ、足を派手に動かす蛸の絵、サッポロの味じゃがバター、味の王様フランクフルト、広島風お好み焼き、超大盛り焼きそばなどなど。いつもひっそりの本殿、社殿が搬入のための小型トラックに隠れてますます静か。それでもやっぱり主役感があるのは伝統ある神社だからか。本殿横の小さな神社の狛犬は面白い表情をしているのだけどかなり昔からいるみたい。西新宿の小さな一角のいつもと違う土曜の朝。良い寄り道だった。

たのしさは支度にありて秋祭 鷹羽狩行

一日の秋にぎやかに祭りかな 正岡子規

狛犬がおどけて笑ふ秋祭 阿波野青畝

そういえば、まだ暑かった少し前に句友たちが以前吟行していた東高根森林公園にいった。みなさんのやりとりを見ながらいいなあと思っていたのだ。彼らは吟行先を選ぶのが本当に上手。まだまだ知らない素敵な場所がたくさんある。東高根森林公園は小田急線向ヶ丘遊園からバスで生田緑地を過ぎて田園都市線溝口駅まで向かう途中にある。生田緑地ばら苑へ行こうかと思ったらまだ開園していなかった。10月16日から文化の日までだそう。向ヶ丘遊園で降りたのは久しぶりで新しいお店がたくさんできていた。昔、ここに住んでいた友達の家に心理検査を教えてもらいにきたなあ、など思い出しながらバスの時間まで散歩した。若い頃は仕事の後、友達の家に泊まり込んで勉強することが多かった。元気だった。溝口駅行きのバスは途中からたくさん人が乗ってきて驚いた。何もなさそうな場所なのになんでだろう、と思ったけどそのあとも続々人が乗ってきてバス利用の地元の方が多いってことかな、と思った。バスを降りて少し行くと白い曼珠沙華がたくさん咲いている鉢があった。その辺で方向を間違っていることに気づききた道を戻ると公園のきれいな案内板がすぐに見えた。私は湿地が好きなのだけどこの公園も水も緑も豊かですごく良かった。植物を眺めながら歩いているうちに結構上の方まで登っていた。

病める手の爪美しや秋海棠 杉田久女

みづうみに鰲を釣るゆめ秋昼寝 森澄雄

秋らしさを待ち侘びて小さな秋を探しながら残暑を過ごしたが、思い返す景色の色は着実に季節が進んでいたことを教えてくれる。立秋って本当に立秋っぽい空になるんだな、とか実感もしていたけど暑過ぎた残暑のせいで言葉と体感と景色が脳内でなんかチグハグしていた。ようやく一致した感じ。

新涼や白きてのひらあしのうら 川端茅舎

これね、私はまだ経験していない感じ。

新涼や起きてすぐ書く文一つ 星野立子

これはすごくわかる。これだって毎日書いてるけど気分が全然違うものね。今日も涼しいといいな。もう流石にあの暑さには戻らないでしょう、と思うとそれだけで身体が楽な気がする。

良い日曜日になりますように。

カテゴリー
お菓子 精神分析 音楽

紅茶、人それぞれ

朝焼けがきれい。鳥たちが賑やか。熱いハーブティーと友人の紅茶のパウンドケーキ。戦後消滅しかかった国産紅茶(丸子紅茶)を復活させた村松二六さんの淹れてくださったミルクティーから着想を得たとのこと。静岡県に丸子という地名があるのですね。「まりこ」と読むのか!ちびまる子ちゃんも静岡だしね、とか思っていたのに。東海道の宿場町のひとつですって。宿場町は楽しいですよね。行ってみたいな。丸子紅茶も買ってきたい。お茶って葉っぱとしては緑茶、紅茶、烏龍茶、みな同じ。最初に知った時は驚きました。静岡の親戚のお茶畑でお茶摘みをしたことがあるけどものすごく大変で地道な作業。お茶のおかげでほっこりできる毎日。ありがたいことです。何事も丁寧な作業は大切。私は毎回原稿も俳句も当日過ぎてよくない。日々繰り返す作業に変えていかないと。今日締め切りの俳句もまだ作ってない・・・。複数のことを同時にするのが苦手だということは十分わかっているのだけど苦手すぎて自分の理解を超えている。あっという間に注意が逸れたり忘れてしまう自分に驚く。学会の発表原稿も時間を間違えていて結局当日の朝に書くことになったし。友達には「いつものことだよね」と笑って応援してもらえたが。私もいい加減直さないといけないがこうやって受け入れてくれる存在がいるとその場その場で助けられる。ありがたいことです。duolingoのフランス語は38日間続いている。今も一回やったから39日間。こうやって思い出したときにやるようにしてるからなんとかなってる。5分もかからないからNHKの講座より注意が逸れない。人の話をじっくり聞くのはできるのに対面でない講座は聞けない。人にはそれぞれいろんな特徴があるものですね。あとは心身の状態で感じ方や行動は変わってきてしまうから無理せず行くのがやっぱり一番いいかな。精神分析とか受けると結構「無理かも」と思う瞬間は増える。最初は週4日通うのに疲れるけど身体の疲れはリズムができればなんとかなる。学校に毎日通っていたことを考えれば。私は通っていなかったけどなんとかなった。身体化はすると思う。どうしても自分ではどうにかできないものが出てきてしまうから。知的な作業では全く追いつかないスピードでこころって動くから。だから「もう無理」という瞬間が何度も訪れる。だから密で硬い構造が必要。生身では守れないけど構造で守れるとして構造に対する吟味は常に必要。単に頻度とかそういう話ではない。こういうことは延々考え続けている。今日の隙間時間は俳句のことだけ考えねば。

さて今朝はクリスマス・ジャズのプレイリストを流していた。Norah JonesのChristmas Callingはとてもいい。東京はいいお天気。どうぞよい1日を。

カテゴリー
お菓子 音楽

ケーキ。滋賀。ノラ。

コーヒーのいい香り。今朝は「杜の色相環」のケーキ。5月、6月のケーキは「フルーツパウンドケーキ」と「夏みかんのパウンドケーキ」。今朝は夏みかんの方をいただきます。特別なケーキなのでお裾分け用も切ってラップラップ。もう何年のおつきあいになるのでしょう。お店ではなく頒布スタイルにしてから直接会うことはほとんどなくなったけどその人が以前に働いていた彦根のレストランでお店のご夫婦とその人のことを話したり間接的な交流も含め随分長いおつきあいになってきた。彦根のレストランもめちゃくちゃ美味しくて1日に二度(ランチとおやつ)に行ってしまった。滋賀をぐるっと旅したときのこと。大津、草津、彦根、あとどこだったか地名を忘れてしまった。どこからも琵琶湖が近くのどか。犬もいる素敵なカフェにも行ったな。大きい犬に大きいおなかのサングラスの妊婦さんにいろんな子供たちに短パンとかの大人たちにといろんな犬や人がテラスにも大きな窓が開け放たれて境目をなくした店内にもいた。猫や鳥もいたのかな。鳥は湖畔にはいたね。妊婦さんがおっきなバスタオルをばさっとかぶって急に授乳を始めた。周りの人はそばの荷物をどかしたり赤ちゃんに微笑みかけていた。すごく自然。大きな犬たちもかわいくて湖畔に停められたでっかい車に乗せられてきたのか地元の犬なのかわからないけどうちの近所の犬連れOKカフェとは全く違ってそこにいるのが犬だか人だかよくわからない空間がとても素敵でのんびりした。一緒にいた人は犬用のお皿で水を飲んでしまった。今でも笑う。犬用のお皿、カラフルで素敵だったもんね。つい手に取るよね。面白い。突然ライブが始まったのもよかった。こういうのはとっても楽しい。私たちも若い頃、公園で急にギターでみんなで歌ったりしたねえ。私は聴いてるだけだったけどなんで彼はギターを持ち歩いていたのだろう・・・。みんなそれぞれバンドマンだった。尾崎豊が死んだ年だった。そういう時代だったか。私は尾崎豊が死んだときの友達の反応で彼がいかに有名だったかを知ったので曲をきちんと聴いたのはそのあと。洋楽ばかり聴いてたからな。びっくりするかっこよさだった、尾崎。尾崎裕哉も声似てるよね。音楽はいい。何も聴きたくなる時期もあるだろうけど自分の中に流れているなんからの音楽ってきっと誰にでもあるでしょう。それ自体が煩わしい時もあるだろうけど。

そういえば昨日また柳樂光隆のすごいインタビューを読んだ。なんと今回ノラ・ジョーンズ。新作が出てすぐの別の人によるインタビューがいまいちだったようなのだけど、私も読んだのかな、覚えていないのだけど、柳樂さんがやってくれたらきっといいんだろうなあ、と思っていたら叶った!ご本人も願っていたことらしいのでよかった。いつもいいけど今回のインタビューはいつもとはちょっと違うというか、ノラくらいジャンル横断型の世界的シンガーになると内容も変わるだろうし、深めるの大変そうなのにすごかった。私みたいな偏った聞き手にも別の視点(聴点?)をくれるっていうのかしら。ノラの軽やかだけど緊張感も力強さもある答えにワクワクした。一緒に作業する人に対する信頼も強くてかっこいい。それにしてもノラ・ジョーンズくらいになると答え方がもう大御所、というか貫禄があるのね、私より若いのだけど。出てきたときかわいくって声がきれいでびっくりしたよねえ。今朝は「よねー」という感じの気分になりやすいな。早起きしすぎたか。みんなノラの新作聞いた?すごくいいよ。自由で楽しそうだし、今回のインタビューで曲作りのプロセスも話していてもちろん苦労もたくさんあるみたいだけど一貫して力抜けてる。かっこいいの。読んでみて。というか聴いてみて。70代の人とノラの話で盛り上がった。もう20年以上経つんだもんね、デビューから。その人との出会いの頃だな、そういえば。ああ、時間があるとノスタルジックになるわね。仕事前に明日の資料読まねば。フランス語バージョンは読めないから英語バージョンを。誰か日本語バージョンをおくれよ。フロイト、ラカン、ヘーゲルの線は少し勉強した。ラカンに関する本はフロイトに関する本よりずっと豊か。そういうものだよね。補助線を引く人が現れて創始者のものは豊かになっていくんだもんね。今日は晴れかな。洗濯物どうしましょう。勇気を出してほしっぱなしでいくか。どうぞみなさんも良い1日を。