カテゴリー
精神分析

三日月

夜遅くまで「心を無にしてがんばるんだ」と書類を作っていた。「心を無に」は全くできなかったけれどある人のデータ整理の仕方を真似したいなと思っていたら全く別の形式なのになんとなくうまくいっていつもの半分くらいの時間でできた。帰り道、坂道の向こう、西の空に大きな三日月が出ていた。「三日月なのに大きいなあ」と思ってから「三日月でも大きいか」と前の晩と同じことを思った。

今朝は秋川渓谷のおみやげのおやきを食べている。トースターで温めてカリカリ。つぶあんとカボチャ餡を半分ずつ。秋だねえ。秋川渓谷だけに。私は学生時代、檜原村の施設で重度の自閉症の人たちと週末を過ごしていたのであの辺は懐かしい。彼らは私と同年代の人が多く、当時は20代。女性はひとりだけだった。彼らとドライブして温泉のお土産さんに入ったことはあるけど温泉にはいったことがない、そういえば。温泉は難しかっただろうなあ。彼女との入浴は私が担当していたのであれこれ思い出す。大パニックも彼女の鼻歌を真似してなんとなく穏やかな時間を過ごしたのも懐かしい。山の中をよく散歩した。迷ったときも地元の人が助けてくれた。地元の人はここの施設の人たちだと知っていてくれたので彼らがパニックを起こすこともなかった。食べ物が導く記憶はなんとなくいい感じだな。一方、重度の障害者に注目が集まるのはよくないニュースの時が多く、そこにどんな人たちがいて何がされているかは知られていない領域だ。毎日ひっそりと暮らす彼らや彼らと過ごす職員さんたちへのサポートに関する研究と実践が積み重ねられていくことを強く願う。

今晩も三日月が沈むまでには帰れるだろう。週末は英語を話さなければならなくてこんなのでマジでどうするのと思っていたけれど同じグループに仲間が振り分けられていてとっても安心した。彼らが通訳してくれるわけではないけれどいてくれるだけで嬉しい。

今日もいろんな思い出や気持ちを支えにがんばりましょうかね。東京は爽やかないいお天気ですよー。遠くのみんなも元気でね。あ、遠くの人にお返事するのを忘れていた。今思い出しました。こういうこともあるけどなんとかやりましょ。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生