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うそもほんとも。

通じた。美味しかった

靖国通りから新宿御苑に続く真っ直ぐな道には私が普段接しない文化のお店があり興味深くそっと覗き見しながら歩いた。赤い実をつけたハナミズキが紅葉していた。「児童館のそばのあの道も今きれいだよ」と教えてくれた。長らく通っていない。そうなんだ。すでに紅葉のピークを体験してしまったので新宿御苑の緑がまだ濃く見えた。

下北沢でよく行っていたビルが取り壊された。開発が進む下北沢から親しんでいた店がどんどん消えていく、かといえばそうでもなくたまたまだが私が通っていた店はそこそこ残っている。ただそのビルに入っていた店はビルごとなくなった。トイレもビルの共用のような古い店だったが若い頃に友人が連れていってくれて以来私もいろんな人と一緒に行った。その店が新宿にあった。チェーン店だから別の街にもあるのは知っていた。

「あの真っ直ぐに続く道なら何かあるかな」と大体真っ直ぐな道ばかりの土地で言っても柔らかく受け取ってもらえた。親密な関係ならそれが普通だと思う。通じないことも通じることも一緒に繰り返しながら通じる通じないではなく相手のあり方を受け入れていく。拒否的で高圧的に正確さを求められびくつき頭痛と不眠が続いていた日々がもっともっと遠くにいけばいいね。たくさんの味方や他人の呟きを上手に使って小さな意地悪を続けてしまうその人も身近で本当に想ってくれる誰かにキャパ捌けるようになったらいいね。

とても好きで大切にしたくてもでも自分を失うのも嫌で一生懸命話を聞き観察してきただけなのにそうやってわかられることが自分の悪いところ暴かれてるみたいで嫌だったんだって。自分のほしいものだけほしかったんだって。あなたも大変な時期だったからどこかで気づいていたのに誤魔化しちゃったって言ってたでしょ。でもそれはその人があなたの時間や歴史を大切にしなかった理由にはならない。反省すべきはあなただっていまだに言いたいみたいだけどもう放っておこう。そういう形で利用されるのはやめよう。向こうだって言いたいことがあるなら普通に言ってくればいいだけ。私たちよりはるかに上手に言語化できるはずなんだから。なんか私たちっていつも同じ失敗してる気もするね。でも若い頃に比べたら上手になったんじゃないかな。今度こそ自分の時間と労力を差し出す相手や場所を間違えたくないよね。またやるかもだけどさ。大丈夫、みんなわかってるから。そうなったらまたすぐ集まろう。みんな失敗もしてるけどその分本当にまずいときの対応しってるじゃん。餅は餅屋でどこいくべきかもわかってるじゃん。たしかに。口には出さないが多分同じ修羅場を思い浮かべて笑った。

暑くなってきた。母からもらったばかりの上着を脱いだ。同じくらいの背丈の女子高生が手を繋いで通り過ぎた。この前、母が地元にいる私の高校時代の同級生としたという話を思い出した。彼女にも色々あった。私たちなんとか生きてきたね。大通りを渡ってしまえば人通りはほとんどなくなる。「この道の向こうのドイツ料理いったよね」「あーいったいった!」25年前のことが通じた。久しぶりに行ったその店も美味しかった。