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雨。熊本。

東京は雨。結構降ってるみたい。タイヤが水を巻き込んで走るのが聞こえる。カラスの声はいつも通りよく響く。小さい鳥たちの声はまだ聞こえない。

2016年4月14日と16日、熊本県で大きな地震が起きた。最も被害が大きかった益城町の読み方を知ったのもこのときだった。友人は当時熊本の病院で働いていたという。熊本へ旅したのはいつだっただろう。県民百貨店が閉店したのが2015年だからその少し前だ。どこかへ寄ってから熊本駅に向かったのだろう。完全に夜ではなかった気がするが少し疲れて市電にのってホテルへ向かった。独特の街並みをゆっくり走っている間に元気がでたらしく市電を降りてからそんな遠くないホテルに向かうまでのことを覚えている。バスターミナルを何かと勘違いしたせいでこの旅を思い出すときまずそれを思い出す。今も変わらずあるのだろうか。今確認したらこのときは福岡から佐賀の吉野ヶ里へいき、そこから熊本へいっていた。そうか、だから新鳥栖と鳥栖を熊本だと勘違いしてしまうのだ、いつも。あれは夏だった。吉野ヶ里遺跡で緊急地震速報の大きな音が鳴った。そこで働く人たちとなんだなんだと空を見上げたりした。何分経っても揺れを感じなかった。みんなで笑いあった。緊張が解けると人は笑う。その約2年後、熊本の人たちは大きな地震を体験し、その二日後にも再び大きな揺れを体験した。私たちが見上げた美しい熊本城は特に石垣に大きな被害を受けた。テレビでみて呆然とした。あのとき行った場所は、出会った人たちは無事だったのだろうか。その後も熊本城の復旧の様子は気にかけてきた。その技術の高さに驚かされた。それでも完全復旧の見通しは2052年。私はそれを見ることもないのかもしれない。あの地震で亡くなったのは50人、関連死が218人、豪雨被害関連死が30人、負傷者は2809人だという。避難者数はその何十倍にもなる。県民百貨店の催事場では熊本出身のデザイナーなど作り手の人たちが作品を展示販売していた。作品を間におしゃべりをした。リビングの壁にはそのときに買った作品が飾ってある。東京で演劇の仕事をしていたという人ともおしゃべりをした。共通の知り合いがいることがわかって盛り上がった。彼らも元気だろうか。

雨の音がする。神経痛が痛む。出かけるのが憂鬱だが行かねば。熊本は雨や雷雨か。同じような空の色なのかな。熊本はお買い物も楽しかった。旅先で靴を変えるなんてリスクが高いがもうボロボロだったトレッキングシューズを買って古いのを捨ててもらった。全く問題なく快適に歩けた。素敵な商店街で食事の思い出も色々ある。色々思い出してきたぞ。ありがとう。また行きます。とりあえず今日は仕事行きます。みなさんもどうぞご無事で。ご安全にお過ごしください。