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『別れる決心』をみた。

腰が痛い。眠すぎて変な格好で断続的に寝たり起きたりしたせいだ。理由がわかる痛みならきっと大丈夫。

『別れる決心』という映画をみた。友達や知り合いがみたいすごいと呟いていたのでぽっかり空いた時間ができたときにパッと予約してしまった。他にみたい映画があったことをそのときは忘れていた。朝イチで映画館へ。6番のスクリーンへいくとキムタクと綾瀬はるかの映画のチラシが貼ってあった。うん?ここじゃないのか?前を歩いていた人もそんな感じで引き返していったけど私はまあここだろうと入っていた。でも引き返してくる人がいる。え?ここじゃないの?と思って引き返すと係の人がいて聞いてみたらほへ?という顔をされたあとすぐチラシに気づき慌てて謝ってここであってるよ、チラシを変えてなかっただけですから、みたいな雰囲気で私に伝え走り去っていった。こういうののチェックってルーティンではないのかもしれない。ある程度の期間やる映画が多いものね。

映画に関してはなんの前情報もなくただ周りで話題というだけでいったけど途中からあぁだから「別れる決心」かと切なくなった。

なんでこうやってすぐに惹かれちゃうかね、と思いつつすぐに手出したりしない(出せる関係でもない)のがかえってエロティックでロマンティックでよかった。にしてもこの音とカメラワーク、パラノイックでやや倒錯的。私はこういうの好きだけど。主役の二人がとっても魅力的。一方は移民(というのかな)で援助職で女で一方は自国の優秀な警察という設定がすでに多くの悲劇を孕んでいるがだからこそ惹かれてしまう部分も警戒し続け注意を向け続けることが愛という言葉を使わない愛みたいに感じられるのも暴力と殺人はどの規模でもどちらにも常に願望として存在しそれが身近だからこそ別のものに執着するのもどれもこれもよくわかるなあ。特定の言葉を使わないこと、霧で見えないこと、いろんなことを曖昧にぼかしてこそのロマンスだなあ。証拠隠滅しても残ってしまうものがあるからジレンマも生じるし。しっかしこの警官は優しくて頼りになるんだかならないんだかわからないとはいえ愛すべきキャラだけどなかなか狂ってんなと思わされましたね。普通の顔してそんなこと言ってるみたいな。暴力と殺人から離れられない点では追う方も追われる方も変わらないのね、特にそこに「愛」みたいなものがあると、みたいな場面もあったけど死ぬのはいつもこっちだなという感じもした。主人公二人はそれぞれ狂気に触れる生活で自らも狂気を纏いつつ知的で理性的で戦略的なのはサスペンとして面白かった。周りの熱い反応と比べるとだいぶ冷めているけれど背景とか考えるとこの映画は社会的な意義も大きいのかもしれないなあとか思ったりもした。別れる決心ってしてもしてもなかなかね。育ってきた環境とか切り離しがたい運命的な何かより人の方が別れやすいはずだからなんとか死なずにいく方向で愛し合ったり別れたりまた愛し合ったりできたらいいんだろうけどこの映画でも死ぬ方は終わりだし残された方はまたそういうチャンスがあるのでしょう、今は死にたくなるほどの慟哭にあるとしても。人間って、と思った。

すごく思い入れがあるわけでもこの映画の何かに詳しいわけでもないけど感想をタラタラ書いてしまった。眠いけど今日もなんとか。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生