日の出が少しずつ遅くなってきている。東の空がピンクと水色が混じり合ってとてもきれい。昨日の東京は暑すぎるということはなかったけど陽射しのもとにいれば普通に暑く、青い空と湧き上がるような雲と濃いピンクの百日紅がとてもきれいなコントラストをなしていた。
街歩きをしたり旅に出ると歴史民族資料館に行く。規模は色々だが、どこにも農業の歴史があり、私はその道具をみるのが好き。特に千歯こきが好きなのだが多分小学生のときに見た農具の中でもっともインパクトが強かったからだと思う。名前のインパクトもあるかもしれない。どの農具もシンプルなのにすごいことをやってのける。道具の発明は人間が生きていくのに欠かせないから大昔からされてきて、生活に合わせてどんどん進化してきたわけだけど、千歯こきは江戸時代の発明らしい。意外と最近。この夏も加賀、能登の美しい田んぼや畑の景色を満喫し、美味しいお米も連日いただいた。それを維持することの過酷さを思うとうーんとなる。楽しい街歩きでさえ日陰を探しては水を飲み暑い暑いいっている私はもっと農業的労働によって汗をかくべきではないかと思ったりする。実家にいた頃はすぐそばに田んぼが広がっていたし、とうもろこし畑も桑畑もたくさんあった。学校の授業でお手伝いをしたことがあったかもしれないがそれらの間を抜けてどこかへ行ったことしか思い出せない。今は畑とはそれなりに出会うが広い田んぼとは随分距離が離れた。あれだけ身近だったのに旅に出て特別に感動するみたいな対象になってしまった。
農家といえば宮沢賢治のことも思い出す。私は小さい頃から宮沢賢治の本が好きで花巻にも2回行った。先日、句友の影響で男性ブランコのネタをみた。『だえーん!』という作品。これ銀河鉄道の夜ではないか、ほとんど、と思った。数年前、再び自分の中に賢治ブームがきて精神分析のカウチでしゃべったりしていたが、最近いくつかのドラマで賢治の言葉が取り上げられているのをみてやっぱり力がある言葉は長生きだなと思った。
「おれたちはみな農民である ずゐぶん忙がしく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい」
と賢治は書いた。
そのあとにあの有名な一節がくる。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
本当にそうだ。これだけいろんな人と会っているのだからいろんな人の生活をおもわざるをえない。思うだけでなく考えないと。情報ではなく土や植物をいじることの大切さ。今日も良い一日になりますように。

