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カフェ、アイドル、比嘉健二著『特攻服少女と1825日』(小学館)を読み始めた。

暑すぎる日に寒すぎないカフェを探した。土地勘のある場所だから使い勝手のいいカフェの寒さは大体知っている。あそこなら、と思って自動ドアを入ったらさむっ。入った途端にさむっ。やっぱりやめよう。涼みに入ったみたいな感じになった。ならあそこは、とまた少し歩く。え、ここ2階だったんだ、地下だと思ってた、というと2つあるんじゃない?と言われた。なんだその発想は、と思ったらそばに同じ薬局が2つあったからという。なるほど。ほんとなんでこんなそばにね。でもこの薬局、わりと2軒の距離が近いところにあったりするよね。カフェは2階にしかなかった。お互い10年ぶりくらいかもと話しながら大きい4人掛けのテーブルへ。寒くない。やったー。気楽に動きすぎて上着を忘れたのだ。超寒がりの私は定期を忘れても上着は忘れないのに。どこもかしこも寒いでしょ、夏は。週末は外でぼんやりしすぎて熱中症っぽくなってダウンしたけどね。夏生まれなのに全然上手に過ごせない。体調の崩し方も歳とって変わってきてるし困ったもんだ。

遠くでアイドルグループが歌うのを大きいパラソルの下からぼんやり眺めていた。ご当地アイドルとして自分たちで店のプロデュースもしながらいろんなところでライブをしているとのこと。自分たちプロデュースのライブ場所を持っているのはすごいよなあ。小さな野外ステージを降りるなり物販。手売り。遠くてあまりよく見えなかったけど踊りがザ・アイドルという感じで「推しの子」を思い出した。この暑いのにめちゃくちゃ動く。すごい。名前紹介とかもパターンが決まってるよね、グループって。すごいリズム。それに呼応して客席からあがる野太い声。ほお。様式美、といえば比嘉健二著『特攻服少女と1825日』(小学館)をKindleで読み始めた。体調を崩すと活字も読めなくなるがなんとなく読む気になったので安心した。

表紙がすごくいいのはKindleでもわかる。内容は出版社のサイトを見てほしい。ためし読みもできる。暴走族とヤンキー、レディース、田舎の山の麓育ちの私にはとても身近だが今はもうその形式自体古いのだろう。彼らの面子を重んじるあり方や様式美を渋谷センター街に見出すことは難しい。コギャルだってもう昔の話だろう。加害とか被害とかいうわけ方も知らず性愛と暴力に翻弄されるような10代の居場所探しの日々が意外なほどゆったりした時間感覚で著者自身の本作りの歴史と並行して書かれているこの本にひたすらノスタルジックな気持ちになるのは世代ゆえか。体調ゆえか。レディースと名乗ったティーンズたちは大人になっても魅力的だ。そう描かれる。文章に勝手に著者の想いを想像してはやはりノスタルジックな気持ちになった。居場所という言葉も苦手だがこの本にはしっくりくる。しかしまだ途中。

今日もすでに暑い。昔の夏の思い出を語ったりしよう、寒すぎないカフェとかで。どうぞお気をつけて。今日は火曜日。忘れないように(忘れそう)。