雨。昨晩は月が見えなかった。帰り道、ちょうど雨が降り始めたところだったけどこのくらいならまだ月が見えるかもと思ってしまった。その前の日もその前の日もとても明るかったから。
私、昨日1万6千歩以上歩いているのだけど暇だったのかといえば全然。朝から晩までずっと働いてた。ではなぜ。早朝に歩いたからですね。早朝にあいているパン屋さんとかないかしら、と思って。早すぎて全然なかったけど今度ここにきたいなというお店はたくさんあった。神社はあいていたので茅の輪くぐりをしてきました。そうだ、「水無月」を食べねば、と思って何度か通りかかったことがある和菓子屋さんをのぞいてみたけど当然開いていなかった。水無月って三角のういろうの上に小豆が敷かれている和菓子。ういろうは少し苦手だけど小豆が美味しいとこのお菓子は美味しい。発祥は京都だよね、多分。出町ふたばとか行きたいなあ。
これまで色々なところを旅して色々なお菓子に感動してきたけど到着するなり大大大感動したのは金沢。駅から少し距離のある西茶屋街の方のホテルまで歩いていたら和菓子屋さんが目立つ通りが現れた。うわぁ、うわぁと感動しながら近寄ると試食もどんどんすすめてくれて、こんな贅沢よいのでしょうか、と思いつつこっちにもあっちにも感動しながらいただいた。見ための美しさにも張りついちゃうよね、あんなの。興奮しながらも絶対このお菓子買って帰る!という判断は働いてはいたけどホテルに行くまでにすでに天国を味わったような気持ちになった。もちろんその時点でいくつか購入した。たくさんお散歩するときは美味しいものを片手にもたねば。
まだ20代後半か30代前半、どっちにしても今よりずっと昔、最初の職場の先輩がご両親が急に行けなくなってしまったからと誘ってくれたのが金沢と山中温泉。たくさん歩いてすごく楽しくてすごく豪華で、その頃からこの街に対するイメージは最高だった。その後20年近く付き合うことになるひどい頭痛にはじめて襲われたのもそのときだったけど茶屋街の2階の素敵なお部屋で休むという贅沢もした。あれから何年も経って自分のお金で再び訪れた。能登半島地震のあとは能登に行くついでに2年連続で訪れた。その間に友人の子どもが金沢の店で修行をはじめたりもした。
山中温泉にも再び泊まった。当時先輩たちと歩いたときは山道でほとんど誰にも会わなかった気がするのだけど鶴仙渓に川床があったり賑わっていた。芭蕉堂のそばの東山ボヌールというカフェが本当に素敵で閉店間際だったせいか誰もいなくて別世界に紛れ込んでしまったみたいな気持ちになった。先輩たちとは小さな工房にたどり着いたのだけど時を経てからはたどり着けなかった。当時、ポットにこだわっていて一目惚れした作品があってすごくすごく迷って彼らにも一緒にたくさん迷ってもらったのだけど結局買わなかった。そのおかげで記憶にはしっかり焼きついたはずだったのだけど工房自体に到達できないとは。夢だったのかなあ。
昔の記憶を呼び戻されつつ、記憶との違いに驚かされるのも旅の醍醐味。金沢ならとってもおいしい水無月が見つかるだろうなあ、と思いつつ金沢の超有名店のどら焼きのことを調べたのが昨日。ういろうと同じくどら焼きも大好きなわけではないけど時々ものすごくちょうどいい皮の厚さとそれにぴったりのあんこの量と甘味を備えたどら焼きと出会う。そういうのは見ためも素晴らしいので勝手に引き寄せられてしまう。わたし今お呼ばれしましたよね、と向かった先はたいてい天国への階段、Stairway to Heaven。たしかジミー・ペイジは金沢に行ってると思う。私は東京で行ったよ、ライブ。色々引き寄せられてはきちんと戻ってくる生活を続けましょう。東京は一日中雨なのかしら。どうぞ足元にお気をつけて。今日もがんばろう。

