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精神分析

じっと。

今日も明るくなってきた。昨晩は昨日の朝にも登場してもらった3人の川柳作家、暮田真名さん、平岡直子さん、なかはられいこさんのトークを聞いた。司会進行はこの3人による3ヶ月連続川柳句集刊行の編集を担当された筒井菜央さん。とても穏やかで楽しい時間だった。強い情緒を簡単に投げ出さず自分におさめておいてそれを自分の作品に昇華できる人たちだからこその穏やかさという感じがした。彼らが無理なく自然に相手を思いやれるのは彼女たちが自分の生きづらさを消化する力によるんだろうなあ。すごく主張が強いのにそれを押し付ける感じはなくお互いの良さを言葉にするときもまったく気持ち悪さがない。お手軽な優しさやわかりやすい甘さがない。自分とも他人とも丁寧に関わっている感じはツイートや作品からもとても感じる。先日の大澤真幸さんと千葉雅也さんのイベントでも同じような感触をもった。彼らは、年齢や性別をその違いだけでなくそれらが持つ意味を意識することを当然としているし、断片ではなくお互いの話をよく聞いて、お互いがどういう時代を誰とどんなふうに出会って生きてきたかに関心を向け想像し丁寧に反応していく様子には優しさを感じる。そうではないことばかりでまいっていたりもするけれど「ばかり」でもないのだろう。こうして間接的に支えられながら思いやりのない世界を思いやれる力を持てるようになれたらいいな。孤独と生きていくこと。思いやりのなさに振り回されて辛くて苦しくて眠れなくてという日があるのはしかたないけどまずは自分の中にじっとおさめてみよう、とあらためて。無理のない範囲でやってみよう。やるべきことをやるために動き始めたらそんな気持ちも忘れてまた表面的なことに振り回されてしまいそうだけどとりあえずじっと自分の中におさめられますように、と自分に願う。