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精神分析

あれはなんだったんだろう

早朝。こんな時間にこんなところにいる。ほとんど奇行だ。いや紀行だ。

朝から散財。はじめてホームの自販機でルマンドを買った。はじめてタッチパネル式の自販機で温かいペットボトルのルイボスティーも買った。一回乗り換えるルートではなく10分くらい長くかかるが乗り換えなしのルートのグリーン車で。

大丈夫。仕事にはまにあう。

嘘っぽいほんとの話とかほんとっぽい嘘とかをこうして書きつけて今日もなんとかやっていくんだ。

どうにもならない気持ちをどうにかするため、起きたこと、感じたこと、考えたことを最初から反芻している。

あの日のあのこと、あれはなんだったんだろう、ということをずっと。

そのためには移動が必要だった。生きながら蝕まれる。戻ってこられますように。

言語も身体感覚も会えない時間にこそ大切にされるべきものと思っていた。会えたときとの喜びはその想像力ゆえと。いないけどそばにいる、大丈夫、と思えた時間は短かった。難しいものだ。苦しくて眠れない日々にも慣れると思っていた。お互い無理をしたのだろう。

対話は難しかった。「対話」って言葉嘘っぽくて嫌いだけど。それはともかくこんな独特の受け身さに出会ったことはないと感じながら私も受け身でいた。慎重に自分の感触を確かめてもいた。すぐにそんな感覚狂ったけど。セクシュアリティから逃れられない人間の愚かさ。

今ならなぜその受身的な態度がその人にとって必要だったかわかる気がする。最初からもっとも謎だったこと。好きな人を観察するときの特殊な状態に流されないように。こういうところがおかしいのかも。歴史を知ればわかる気がしていたし今ならわかる気がする。私のことを相手はほとんど知らない。ある部分をのぞいてなにもきかれていないから。きかれたのはもっとも正直に答えられないことだった。だからかどうかわからないけど嘘をついた。全体を知ろうとしてほしかった。聞かずに想像してほしかった。そんなのは大抵無理だって知ってるけどそこを超えていかないと、といまさら熱い。いまさら。だからこんなとこにいるのだ。思い出そう。

話をきき、それについて話すのはなんだかひどく幸せだった。もっともっと聞きたいこともいいたいこともたくさんあった。でも大雑把でものわかりの悪いまま反応してしまう私はいい聞き役になれなかった。ため息も苛立ちも寂しかったけど圧をかけられるのも嫌だった。それでも一緒にいる間はまだ少し安心できた。

人は誰でも自分にちょうどよい刺激を与えてくれる人が好きなんだなと実感した。優先順位は変わっていく。私はそういうタイプではないけれど。ペットなら言葉使わないから一緒にいられたかもしれない。人だってどうにかなると思い込んでいたわけでもないけどどうにかしようとがんばるのが普通かと思っていた。間抜けだ。人は多くの場合変わらないって知ってたはずなのに。間抜けな私は対話すればどうにかなると思っていたけどそもそもそれをしてもらえないという事態が起こることを想定していなかった。楽観的だな馬鹿だな間抜けだなもういやだ。全部夢だけど。夢じゃないけど。ひどく眠い。

「抱っこしておとしゃん」と繰り返す声が聞こえる。「エレベーター乗り行くの」「工事みにいくの」両親が小さく笑う声が聞こえる。あの手この手でがんばる女の子。無力ではないね。素直に正直に手を伸ばすこと大事だね。たくさん抱っこしてもらえますように。みんな良い一日でありますように。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生