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精神分析

GW,國分功一郎week

GWは國分功一郎weeeek。隙間時間は全部國分さんの本を読むぞ、久しぶりに、と思ったけど『スピノザ 読む人の肖像』(岩波文庫、2022)に苦戦したばかりだった。全部は見られていないけど「國分功一郎の哲学研究室」も購読しているのだった。毎回動画とテキストの二本立て。映像と言葉、見ると読む体験の両方。見て、読んだ範囲では全て面白かったし心動かされた。國分さんの話は巻き戻して(ネット上では巻き戻してとは言わないか)何度も聴きたくなる。早送りも倍速もできない話し方。すごく音や映像にもこだわってその道のプロから教えてもらったり本を読んだりしたとおっしゃっていた。そんなに仕事してるのにこっちもなんてそりゃ体調も崩すよ、という徹底ぶり。たしかに最初に見たとき「おー」と思った。これは新しいなと。You tubeではないのがとてもいいと思った。國分さんはずっと同じテーマを具体的な問題とともに追い続けながらいつも新しい哲学の表現を模索している。こういう実践がまた理論に影響を及ぼすのだろうね。

國分さんの新刊はコロナ禍で行われた東大での2つの講義を収めた本。『目的への抵抗ーシリーズ哲学講和』(新潮社、2023)。すぐに忘れる、すぐになかったことにする、すぐに経験を知的なものへと変換してしまう私たちだから今すぐに読んでおきたい。経験が近いうちにあれこれあった日々を何度も体験し直しそこから考えていく必要がある。

今ちょと眠ってしまった。友達とイベントへいく夢を短時間ながらみていた。夢の中でも「ここで食べられるお菓子」みたいなお菓子のことをスタッフの方に教えてもらい隣にいた人たちにも聞いたばかりのことをもらった地図付きで教えている夢だった。横浜の方のイメージだったな。いつもの自分じゃん。しかし不思議な階段だったな。

そういえば國分さんはデカルトのことがものすごく好きなんだね。『スピノザ 読む人の肖像』とその元になってる博士論文『スピノザの方法』を読みながら思った。國分さんの講義を受けているときはドゥルーズ、スピノザのことは頭に残ったけどデカルトは残っていなかった。國分さんはその時点での考えに至るまでの思考の流れを丁寧に話してくれるから絶対出てきているはずなのに。

國分さんは実践を大切にしてくれる(精神分析実践のことも)哲学者でご自身も本当に大きな実践をされてきた。私が國分さんのことを知った道路問題についてはこちらの本にまとめられている。『来るべき民主主義 小平市都道328号線と近代政治哲学の諸問題』(幻冬舎、2013)。私が理事をしていたNPOで國分さんをお呼びしてお話聞いたとき、私ははじめてその地域(千葉県松戸市)も似たような問題を抱えていたことを知った。それまでずっと一緒に活動してきた地域のことなのに聞いたことがなかった。こうして許可なく自分たちの私有財産が侵害される怒りややるせなさについて語る機会があってよかった。民主主義的な決定とは何か。そこに本当にプロセスなんてあっただろうかなど『近代政治哲学 ー自然・主権・行政』(筑摩書房、2015)と合わせて読むのがおすすめです。

ということで久々にお会いしたい國分さんのご著書からまずは、ということでなんとなく書いてみました。もう西の窓も明るい。大きな窓の方はどうかな。チョコは部屋に置きっぱなし。まだ溶ける季節ではない。塩山の和菓子と洋菓子風和菓子の2種類を半分ずついただくことにしましょう。明日からまた連休ですね。まとめてお休みをお取りの方もそうでない方もどうぞ良い一日をお過ごしください。