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精神分析

女友達

女同士で話していると絶対に変わらないであろう男の話になる。外面だけフェミニストで自分からまめに絡みにいって求められていると勘違いしたい人、身近な関係の彼女(妻)には甘やかしているつもりで甘えることだけしていたい人、大抵の人は思うであろう文句を言っても聞こえていないふりか別の女に相談するか被害的になってこちらが悪いような気分にさせるのがうまい人。自分の聞きたい話だけ聞いて「対話」が大事とかいっている人。漫画とか本にもよく登場する典型的に自分のことしか考えることができなくなってしまった人たち。みんなもっと辛辣な表現でこういう相手のことを表現するけど「ダメな私たちがこういうのを許容しちゃうからいけないんだよねー」と笑う。辛い目にあってようやく別れても「また似たような人選んじゃったりね」と笑う。怒って泣いて寂しくて悲しくて何も手につかなくてそれでも家事や仕事はしなくていけなくてその現実の世知辛さのおかげでなんとか身体を動かしている。そんな体験を時々集まっては話しまた繰り返す。女友達は貴重だ。辛さが変わるわけではないけれどこんなにみんなで共感できるほどダメな相手に振り回され続ける愚かな自分たちを笑い合う時間のおかげで別の可能性を模索するまともな自分の部分を維持できているとわかるから。この歳になればいろんな別れの形もみたり聞いたりしているけれどどれもそうしてよかったねというものばかり。この前もみんなで喜びあった。「どうなった?」「別れた」「よくがんばった。」抱きしめる。まだ怒りも痛みもたくさん残っている彼女の話は自分たちにもとても痛い。いいかげんその決断を迫られている友はその行動を羨ましがってた。女の立場は弱い。無理するからなおさら辛い。でもなんとかやっていこう。実はとんでもナルシストな相手、実はでもないけどわかっちゃいるが変えられない愚かな自分に見切りをつけるときもつけられない間もまたこうして集まろう。別れたあの子もまだ眠れない夜を過ごしたらしい。

LINE。おはよー(スタンプ)。眠れた?(スタンプ)そりゃそうだ。(スタンプ)今日仕事?うん。ちょっと会う?(スタンプ)(スタンプ)(スタンプ)

またあとでね。きっとボロボロだろう。自分が抱きしめたいときしか抱きしめてくれなかった人のことは少しずつ忘れていこう。そのままおいで。なんとでもなるかどうかはわからないけどどうにかはなる。今までもそうだったもんね。どうしようもなく繰り返す私たちは支え合う。どうにかこうにか今日も過ごす。怒りながら泣きながら。女であることのどうしようもなさに身を浸しながら。

作成者: aminooffice

臨床心理士/精神分析家候補生