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精神分析

手の届く距離で

今朝は飯能のおみやげシリーズ。天覧山珈琲の「ビターブレンド」とお菓子。ティーバッグみたいに浸して引き上げる方式のコーヒーだから私でも失敗なし。ディップスタイルコーヒーというんだって。

地域の子供会の活動に自閉症児親の会の皆さんが加わって障害の有無を問わないお泊まり活動を最初にしたのはいつだったか。小さい頃から地元の仲間とのキャンプ活動に慣れている友人に自閉症の子どもたちに対する配慮を考える担当をお願いされたのがきっかけ。私が大学のときから施設やデイサービスで自閉症の人たちと過ごすのに馴染んでいたから。キャンプ自体は10年以上続けていたのにいまだに設営とか色々できないことだらけだけどそういうのはプロみたいな人たちがいっぱいいて全部助けてもらった。私は自閉症児親の会のお母さん、お父さんたちと一緒に重たい障害を抱える子どもたちが環境の違う場所で楽しめるように試行錯誤した。特にお母さんたちはすごかった。さすがだった。この子たちといってもみんなもう成人しているけど彼らが赤ちゃんの頃からものすごい大変な子育てをしてきたわけでその経験の集積が鮮やかでかっこよかった。一緒におしゃべりするのも楽しかった。

このお泊まり会は私たちがNPO化して毎年の夏のキャンプへと変わっていった。2泊3日。夜は真っ暗になるキャンプ場でテントをはって過ごす。大変だった。人間がいっぱいいるというだけでも大変なのに。ながーくやっているうちにだいぶ慣れたけど若かった私たちもそれぞれに家庭をもち仕事が忙しくなり色々あって解散した。

でもこのNPOがすごかったのはほんとうに地域に開かれた保育園を作ったかと思えばそれが認可化されるほどに整えたり、地域の人が集まれるカフェを作ってこども食堂やフードパントリーを実施したり、組織が解散しても個人がまたそれと関連した別の組織を立ち上げて実績を積んでいるところだ。組織がなくなると活動がなくなる団体も少なくないと思うが個別の力の強い組織だったのだろう。そして離れても協力関係は続く。ふと思ったけどこれだけ人が集まればそれぞれの人生に色々なことが起きるわけで私たちはそれも共有してきた。こういう協力関係の背景に静かに流れている公にいうようなことではないそれぞれのこと。外からはわからないことで私たちはつながっている。

震災後まもなく石巻へ向かったときも阪神・淡路の体験もあるNPOのみんなの行動は心強かった。私はまるで無力で、みんなは千葉で私は東京でなんか心細くなってしまって「何かあったら助けてくれる?」と聞いた覚えがある。当然みんな笑いながら駆けつける約束をしてくれたわけだけどこどもがえりしたような瞬間だった。

NPOになる以前、小学校の校庭を借りて行った一泊行事のときから一緒に活動してきたご自身も重い自閉症のお子さんを育てる西宮敬子さんは現在「家族丸ごとおたすけデイサービス(富山型デイサービスがお手本とのこと)」として高齢者や障害者、子どもたちの居場所としての宅幼老所(共生型ミニデイサービス)のオープンを計画しているそうだ。相変わらず超パワフル。お元気そうで嬉しい。

西宮さんは千葉県市川市で「おもちゃ図書館Cafe Santa(カフェサンタ)」 を運営しているNPO法人みんなのサンタ代表でこども食堂やフードパントリーも実施しておられる。2021年には第11回地域再生大賞の優秀賞もお取りになったとのこと。

今回その宅幼老所(共生型ミニデイサービス)オープンのためにクラウドファウンディングを立ち上げたそうだ。NPO仲間が作った保育園にはいまだにコンサルテーションをしにいっているがカフェサンタの方にはなかなかいく余裕がないのでこういう試みに協力していきたいと思う。

今回の水害も心配だが、地域のつながりの有無は災害など緊急事態のときに明暗を分ける可能性がある。私が自分だけ東京で心細くなったのも実際の距離の問題が絡んでいる。実際に手の届く距離でできることを支援していく政治をのぞむけど実際に行われていることはどうだろう。莫大なお金がかけられる先はどこだろう。今も水害で大変な地域に一刻も早く支援の手が届きますように。そばにいる人を大切にできますように。