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低め安定とか。

カーテンの向こうはまだくもりだなと思っても開けたら東の方がすごいオレンジに、ということはよくある。夏はビーチの暑さになる我が家はこの時期、東の大きな窓を日除けの布で覆ってしまうので南側の窓の向こうに広がる空でお天気を知ろうとすると早朝はいつもくもりのような空が広がっている。早朝はこの窓にはまだ光が届かない。さっきその窓を開けたら蒸し暑い空気がじっと広がっていたのでそっと閉めた。東の空から太陽の光がどんどん迫ってくるのを感じる。昨日も昼間は暑かった。沖縄には台風13号の影響が出ているらしい。毎回本当に大変だ。どうかお気をつけて。

精神分析は転移という関係というか転移神経症という一種の症状を形成するところから動きがはじまる。その手前でやるべきことも膨大にあるがまず空想や錯覚を作り出す場を整えることが大事だ。

もう25年以上前のことだが、臨床心理士として初めて入職したのは区立の教育相談室だった。そこには親子の心理相談をメインで行うセンターと適応指導教室である分室が北部と南部にあって私はセンターに配属された。大学院の頃から様々なところでいろんなことをやらせてもらっていたが、自分がこれでお金を稼ぐとなるとあまりになにもできなかったが、給料の少なさにはいつも困っていたので塾の講師の仕事も続けていた。単に慣れた場所を維持することで新しい環境とバランスを取ろうとしていたのかもしれない。教育相談室は自治体によって全く給料が異なる。私は当時そういうこともよくわかっていなかったのでびっくりした。私がいたのは最も安い地域だった。いろんな人が「お金のない区」と言っていて売れない芸人がたくさん住んでいるという噂もあった。当時はこんなにお笑いの世界は華々しくなかったのでなんとなく真実味があった。今は大学がいくつもある区になったから、大学からの税収だけでなく、移動はもちろん、若い人たちの動きがもたらす経済効果は大きいだろうから教育相談室のお給料も上がったりしたのだろうか。まだ先輩方がいるので今度聞いてみよう。自治体の経済状況がどうであれ、個人がなんとか生活を維持しているのは今も昔も変わらないのがこの国なので、無料の相談機関はとても重要だったと思う。当時「お金がかかってしまうけど」と外部の相談期間や医療機関をおすすめしていた私は、今はお金がかかる方の場所でいろんな機関からの紹介を受ける立場になった。今もカウンセリングなり心理療法が必要な方に継続面接が必要と判断して、それを提案する場合、「お金がかかってしまうけど」ということは話しあうが、会社でも法人でもないので安定したお給料はなく、収入はある程度長期的な見通しを持って考えていかないと直接的に私の生活に響いてくる。こういう実感に苛まれることは当時の方が少なかったと思う。「安定」というのはそれだけで心理面に対する効果が大きい。私は一番好きなことを仕事にできたのでそこで生じる苦労は常に乗り越えるべきものと感じるが、チームや組織でやる仕事の場合、モチベーションはそれぞれ異なる。「低め安定」を目指す場合もあるだろう。うつ病の患者さんによくいう「低め安定」は個人の心の中でも引っ張り合う矛盾する感情があってそれがどうにか悪い方へ向かわないようにどうにか小さな揺れ幅を維持できたらいいねということだが、環境は常に過酷だし、ほとんどおまじないのように「低め安定」を唱える場合だってある。チームでのブランディングもそれぞれがそれぞれの役割に徹することを好んでやっていて、かつ実力が伴っていればいいが、できあがったものを勢いある言葉で修飾することで良きものに見せようという方法を必要とする感じだと多分その仕事はあまりうまくいっていない。同じことをやっているはずなのにできあがりが全く違うということは誰もが経験していることだと思う。同じフォーマットでもそれをどう使うかというところに創意工夫がいる。

というわけで、精神分析家になった今の私は、最近の設定そのものを変えようという動きにとらわれず、できるだけ受け継がれてきた設定の中での自由を考えていきたい。それは上に書いたように、転移神経症という場で、患者と共に、行動で反復するのではなく、空想し、錯覚し、それが思考されることを願い、言葉を紡ぎ続ける努力であると思う。

だらだら書くには面倒なことを書いてしまった。こういうことを考えるのが楽しいが朝の忙しい時間にやるもんでもなかった。

今朝は石川県七尾市の「おやつ屋 Brown」のパウンドケーキ(メープル)。和倉温泉駅から徒歩10分くらいだろうか。昨年、通りかかった小さな小さなお店に今年も行けた。今回もとても美味しかった。

今回は加賀温泉駅から行けるいろんな場所にも行ったが「こんなところにこんなかわいいお菓子屋さんが!」という店に通りかかりテンションがあがった。本数の少ないバスの時間を気にしつつささっと選んでささっと買って走ったりもした。なんだこの汗だくの慌ただしい観光客はと思われたかもしれないがお許しいただけたらと思う。みんないろんなところでいろんなお仕事をしている。私のような観光客のために夏休みをずらしてとるお店も多いのかな。「開いててよかったです」と何軒の店で話したことか。

それぞれの場所でそれぞれの工夫が報われますように。適度に休みやすい環境でありますように。それぞれのペースで良い一日をお過ごしになれますように。熊本の方も能登の方も心配ごとが減っていく実感を得られますように。